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閉鎖病棟ーそれぞれの朝ーのakihiko810のレビュー・感想・評価

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)
3.6
現役精神科医の帚木蓬生が執筆した、同名小説の映画化。原作未読。

長野県のとある精神科病院。死刑執行が失敗し生きながらえた秀丸(笑福亭鶴瓶)。幻聴に悩まされるチュウさん(綾野 剛)。DVが原因で入院する由紀(小松菜奈)。
三人は家族や世間から遠ざけられながらも心を通いあわせる。
ある時院内である事件が起きて…

うーん、若干期待外れだったかも。
「閉鎖病棟」のわりに、患者が自由に行き来しすぎる。とくに幻聴のあるチュウさんに外出許可を医者が出すとは思えない。それから鶴瓶は院内なのに刃物を手にするが、病院では暴力・自傷をする者もいるから、危険物は徹底的に管理されて絶対に持ち込めない。爪切り、ハサミから紐までとにかく危ない可能性のある物は持ち込めないのだ。
そういう細かい所のリアリティがまるでないのがマイナス。
それから絶対的な「悪人」を物語に配置するところも個人的には好きでない。
原作がこの程度なのか、映画が悪いのかはしらないが。

よかったところももちろんある。入院患者同士の連帯ややさしいつながりのある描写は見てて楽しかった。
自分も3か月ほど精神病院の閉鎖病棟に入院したことがあるのだけど、そういや自殺未遂で運ばれてきた人や、統合失調症で幻聴のある人、二十年ほど入院してるらしいおじいちゃんなどがいたなーと思い出した。特異な場所だったと思う。
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