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閉鎖病棟ーそれぞれの朝ーのあのネタバレレビュー・内容・結末

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

役者さんの演技はとても良いし感動した、とても涙が出た。しかし、結局何を伝えたかったのか見えなかった映画。題名は閉鎖病棟じゃなくて良かったと思う。まず、問題提起をしたかったのかもしれないが、病院と患者の連携、信頼関係が無さすぎる。この映画は実際に医療関係の人は携わっているのだろうか?精神科病院を馬鹿にされた気分。怖い、というイメージを増幅させている。いつの時代設定がわからないが、今時ライターや包丁は持ち込めないようしっかり検査が行われているし、屋上がフェンスなしで開けっ放しなんて有り得ない。看護師も止めない。病院の屋上からの飛び降り、病院内でのレイプ、殺人事件が同時期に起こるなんてどれだけ杜撰な病院なのか。精神科病院はそういうことが日常茶飯事だ、というメッセージでも届けたいのか。退院支援や面談も本人の意向は聞かず。退院の場面では看護師が殴られているが、それもそのまま。普通あんなことがあれば家族への対応を考えるはず。閉鎖病棟で4人が一堂に外出許可をもらい街に出ることもそうそうないだろう。題名は開放病棟の間違えでは?一般の生活とは離れていると比喩したいのかもしれないが。
野球バッドもプラスチックにすべきだし殺された患者に関しては事件が起こる前に他の措置が考えられたであろう。雑誌読んで患者を見失っていたが、その後数時間見つけないのはおかしい。また、患者が夜中に病院を抜け出すことは簡単にはできない。夕食や消灯時間に確認をしていないのか?服薬の時間のチェックも怠っていたのだろうか。精神保健福祉なのか、司法を伝えたいのか、分かりにくかった。
色々な人が、それぞれ事情を抱えていて、それでも頑張って生きている前向きなメッセージを伝えたかったのだろうか。
精神保健福祉という領域を映画にしたことはとても喜ばしく現代的だと思うし、役者さんの演技も素晴らしかったが、現実的ではなかった。2時間という制限はあるが、綾野剛の過去や退院後、小松菜奈の病院を抜け出した後についても知りたかった。
しかしとても興味のある内容でした。もう一度観たいと思います。
あ