ゆず

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ーのゆずのレビュー・感想・評価

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)
3.5
これは悪い渋川清彦だ…。

精神科病棟を舞台にした映画で、やはりけっこう重たい内容だったし、ショッキングな展開もあった。個性的すぎる入所者の面々の明るさがなければかなり暗い作品だったろう。(その明るさにしても、鑑賞者の私が勝手にそう受け取っているだけで、彼ら自身にとってみればきっと明るさでもユーモアでもないのだろう)
精神科病院といっても様々な事情の人がいる。小松菜奈が演じたユキちゃんは、見ていて何一つおかしいところがないのだが、彼女を疎ましく思う家族によって強引に入院させられている。(またその疎ましがられる理由が理不尽で衝撃的)
笑福亭鶴瓶が演じる秀丸さんは、さすがにこんな経歴の人は現実にいないと思われるレアケースだが、外界から隔離された病棟という絶好のロケーションが彼には必要で、そこにいる。
そうなるに至った経緯も序盤でちゃんと描かれるが、ちょっと「ふええっ?」となるような理由でそうなってる。法律の限界を描いたシーンだが、名前も付いてるか怪しい端役3人の話し合いで決まる。ふええっ!?そんな簡単に!?という感じだった。
( ˙꒳˙ ).。oO(正直あそこは秀丸がそれを告げられるカットがあれば他は要らなかったのでは…)

そんなわけで演出に疑問の残るところもあるものの、それは役者陣の好演によって相殺されている。ものすごく名演かどうかは私には分からないけど。
少なくとも鶴瓶、小松菜奈、綾野剛、渋川清彦、小林聡美については求められたものをきちんと演っていたので良かったと思う。
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