メトロポリスの作品情報・感想・評価

「メトロポリス」に投稿された感想・評価

kazu1961

kazu1961の感想・評価

4.3
「メトロポリス」
原題「Metropolis」
1929/4/3公開 ドイツ作品 2017-168
TSUTAYA CINEMA Handbook 2016
1960年代以前ランキング22位 再鑑賞

「SF映画の原点であり頂点」
90年も前に作られたとは思えないSFイマジネーション、ストーリー展開、テーマ性(資本主義と共産主義の対立)そして美しさ、どれをとっても芸術で素晴らしい作品だと思います。
100年後のディストピアがNYの高速ビルイメージであったり、アンドロイドやテレビ電話が出てきたり。。約90年前、大正15年にこんなイマジネーションができるなんて凄いですよね。
この映画史上一番美しいと言われるアンドロイドはスターウォーズのC3POのモデルになり、マッドサイエンティストのロトワングは、スタンリー・キューブリックの「博士の異常な愛情」の、ストレンジラブ博士のモチーフになっていますね。
多くの作品に影響を与えた本作なくしては後のSF作品は無かったかも知れません。そういう意味でも偉大な芸術作品と呼んでも過言ではないですね!!

フリッツ・ラング監督によって1926年(大正15年)製作、1927年に公開されたモノクロサイレント映画で、ヴァイマル共和政時代に製作されたドイツ映画である。製作時から100年後のディストピア未来都市を描いたこの映画は、以降多数のSF作品に多大な影響を与えSF映画黎明期の傑作とされている。当時の資本主義と共産主義の対立を描いた作品でもある。
本日12月5日はドイツ映画の黄金期を支えた巨匠フリッツ・ラング監督のお誕生日!
生誕127周年を迎えます。

古典でありながらも斬新かつ超モダンな作風は未来像を確立し、
今もなおSF映画の金字塔に輝き続ける不動の傑作『メトロポリス』

制作された1926年からちょうど百年後のディストピアと階級闘争とを織り交ぜ、
美術やセット、エキストラに至るまでこの圧倒的なビジュアルの美しさは何時観ても我々の心を捉えて離しません。

知識指導者に支配された超高層都市の栄華と、
彼らの生活を支える為にまるで奴隷のように働き、地底都市メトロポリスで住居を構えている労働者。

この隔てられた二層階級の調停役、つまり「救世主」には支配者階級の息子フレーダーが宛がわれ、
それを予言する労働者のリーダーは聖母と同じ名のマリア。
さらには七つの大罪やバベルの塔、火炙りの刑など宗教的観念もベースとなっており、
この二人のロマンスはドラマに更なる深みを持たせます。

マリアを演じたブリギッテ・ヘルムの美貌はアンドロイドの造形美とリンクするほどであり、二役を演じ分ける豹変ぶりも圧巻。

当時ドイツはナチス党が勢力を拡大し始め、ユダヤ人のフリッツ・ラングは労働者が勝利する『戦艦ポチョムキン』のようなシナリオを想定していたそうですが、
一方の脚本を描いた妻テア・フォン・ハルボウはナチス寄りの思想を持ち、捨てられぬ特権階級意識に基づいてこうした折衷案的ラストが添えられたといいます。

その後二人は離婚して妻はナチスのプロパガンダ映画に脚本を卸し、
ユダヤ人ラングはアメリカへ亡命してハリウッドで活躍。
「支配者と民衆」という本作のテーマに反し、皮肉にも二人のロマンスは相反するイデオロギーによって悲しい結末を迎えることになったのでした。
しゅう

しゅうの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

なにこれすごすぎる…!無声映画すごい…!
インタータイトルと、(大げさな)動きの演技で、だいたい何と言っているか想像できるけど、その想像も、人によって微妙に違うのでは、と思うとおもしろい…。
近未来の超進歩した街並みが映ったかと思えば、地下深くで機械の奴隷になっている労働者が印象的。
労働者階級と上流階級の争いを、心で調停する主人公frederは、人間にとって一番大切なのは機械やお金ではなくて、心なのだと(鑑賞者に)伝えるための存在なのではないか、と感じた。
まさす

まさすの感想・評価

4.5
はじめてこんなに美術作品的な映画を見た。どの表現もモダンで飽きがこない。
1926年ドイツ映画。フリッツ・ラング監督作品。製作年の100年後となる舞台の2026年近未来都市メトロポリスは、地上都市に暮らす上流階級と地下都市で働く労働者階級で成り立っている。

先ずビジュアル面で90年前の作品とは思えないほど美しくリアルに洗練されたディストピアである事に驚かされる。SF映画の原点とも言われるが、昨今の多くのSF映画がこの作品の影響下にあるかのようにさえ思える。

そのレトロなSFの世界観は同じくドイツの音楽家のクラフトワークも影響を受けていて同タイトルの曲も書いているし、1984年にはイタリアの音楽家ジョルジオ・モロダーによる再編集版も公開されている。音楽家にもかなりの影響力があったのかも知れない。

古い映画ほど社会風刺や政治的批判や人間の愚かさを皮肉った作品が多かったのだろうか。テーマとメッセージ性を色濃く含んだストーリーも時代を越えて鑑賞者に突き刺さるようなしっかりとしたものだと驚かされる。


118分版のクラシックのBGMのバージョンを観たが音楽の方は悪くは無いが、少し映像と合わない部分が残念に感じた。ジョルジオ・モロダー版にも興味があるが簡単に手に入るのかな(苦笑)
見事と言うほかない
このSFモダンアートに。

影の表現、光の表現、建造物、角度、労働者の列、俳優の動き、カット、マリア

どんなに美しかったか
この人工的な世界はキューブリック以来の感覚で、映画を見る歓びを最大級に感じる。

映画はヴィジュアルが最も重要だと考える自分には、ドイツ表現主義の映画はぴったりなんだろうな。

音楽に緩急がなく、残念だった。

あとなんとなくだけど、モダンアートって壁の白さの事だな
これはすごい。
1920年代とは思えない世界観と白黒ながらコントラストを使った映像表現はほんとにすごい。
スターウォーズやブレードランナーの根源でもある。
図書館にて。
頭脳と手はお互いに思いやらないといけないっていう台詞がほんとに刺さる。
頭脳と手の媒介者は心でなくてはいけない。

「機械を飢えさせろ」「機械を殺せ」という表現にグッと来た。扇動しているのが機械というところもグッド。
駆け抜けるようなリズムと脳汁をブチまけさせてくれる激しい運動。死ぬほど面白い。
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