MasaichiYaguchi

カンパイ!日本酒に恋した女たちのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.7
「ハリウッド外国人記者協会」に所属する米在住のジャーナリスト・小西未来さんが日本酒の魅力に迫ったドキュメンタリー第2弾では、かつては女人禁制だった日本酒界で活躍する女性達をクローズアップする。
登場する女性は、広島で100以上続く酒蔵を継いだ女性杜氏の今田美穂さん、日本酒バーのカリスマ店長・千葉麻里絵さん、ニュージーランド出身の日本酒コンサルタント・レベッカ・ウィルソンライさんという3人。
前作では2人の外国人を含む男性達が、日本酒の素晴らしさを世界に発信すべく奮闘する様が活写されていたが、本作では女性らしい視点、日本酒と料理のマリアージュということが加えられていて、飲むだけでなく食べる楽しみも提案している。
様々な切っ掛けで、昔は女人禁制だった酒造業界でフロントランナーとして〝道を切り開く〟彼女達は、女性だという立場に甘んじる事なく、夫々が男性並みの働きをし、更に今までに無い視点やアプローチで取り組んでいる。
このドキュメンタリーでは彼女達の活躍だけでなく、世界における日本酒の認知度や人気、そして酒蔵ではどのようにお酒が造られていくのかを分かり易く紹介していく。
前作でも描かれたが、酒造りの工程に登場するお米と麹の美しさは見ていて心洗われるものがある。
そして我々が日本酒に抱く透明感溢れるイメージは、本作を観ると嬉しく裏切られ、その多様性と奥深さを教えられる。
平成から令和へ改元され、お祝いで日本酒を酌み交わした人もいると思うが、このドキュメンタリーを観た後は美味しい料理を囲んで、祝杯を益々挙げたくなります。