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貞子のmatchypotterのレビュー・感想・評価

貞子(2019年製作の映画)
3.0
先日、先に『貞子DX』を観てしまった。
これ飛ばしてしまった。だから、遡ることに。
これで『貞子』シリーズ、コンプリート、かな。

『貞子vs伽倻子』は山本美月、『貞子3D』は石原さとみ、『貞子3D2』は瀧本美織、本作『貞子』は池田エライザ、『貞子DX』は小芝風花。

もともとの『リング』は松嶋菜々子、『リング2』は中谷美紀。ハリウッドリメイク『ザ・リング』はナオミワッツ。

KADOKAWA、いや、日本代表の呪いの権化“貞子”とそれに対峙する美女たち。
このホラービューティー構造を完全に仕上げ、絶えずその中心に君臨する『貞子』シリーズ。

貞子は、かつては超能力者の山村志津子から生まれ実在した山村貞子。しかし、その恐るべき手のつけようもない力に恐れた博士が井戸に落とす。
、、、そこから全てが始まる。

彼女の怨念が念写された呪いのビデオが生まれ、そこから彼女の念が決して止まることなく蠢き続ける。

観たら1週間以内に呪い殺されるビデオ、そして、そのビデオから現れ暴走する貞子、ネットに拡散されクラウド化する貞子、同じく手のつけられない呪縛霊伽倻子と戦う貞子、ウィルスと化し“呪い”なる超常現象から日常に寄り添う貞子、、、。

そして、今回は、何と“遺伝する貞子”。貞子の遺伝子が受け継がれ、別の少女にその呪いを潜ます貞子。

その少女の中に潜む貞子が、その少女を介して、猛威を振るう。
その少女もそれを受け継がれてるだけあって、かつての貞子に近い境遇を味わっている。

その少女が、池田エライザ先生のところに保護されること。
そして、エライザの弟がYoutuberになりたくて、必死の思いで人気を取るために少女が火事に巻き込まれた心霊スポット化した彼女の自宅に行き、失踪したこと。

ストーリーラインがやや原点に近い。
原点と言えば、『リング』の時に呪いの最初の被害者になった竹内結子と一緒にいた友達、そうだ、佐藤仁美だったな。まさかのその彼女も現れる。
そのアプローチはなかなか斬新で、過去の色々を起草させる存在としては一役買ってた。

そして、佐藤仁美がエライザにあれこれなり、どういうわけか失踪したエライザの弟が大島の貞子の縁の地に幽閉されている動画を発見。

そして、貞子の生い立ちや呪いの片鱗が迫ってきていることを知り、何と原点回帰。伊豆大島へ、、、。

そして、エライザを囲むキャスト陣もなかなか貞子に負けまいと印象強い面々。

塚本高史、清水尋也、桐山漣。3人とも他の作品でもしっかりキャラが立つから好き。カッコいい。

しかし、貞子を受け継ぐ少女。独特な存在。
彼女が“呪い”を存在させる媒介になっているが、彼女は彼女でそれに染まっていくけど、とはいえ彼女自体には害はない。

そして、池田エライザ、間違いない。
この作品やたらと評点低いが、もうそんなのどうでも良い。
美しい。凛としていて、でもフワッと角がない丸みを帯びた雰囲気も兼ね揃える。
ある意味貞子とは違うミステリアスなオーラ。そこについてはさすがに貞子も勝てない。

エライザと佐藤仁美。
この2人のキッカケ、“貞子”に対しての立ち位置、事の顛末が、どこか近い。
そこを『リング』から起因しているような話の運びにして、この2人をセットで描く。

と、思えばそう言う切り口か、と腑には落ちる。

もともと“呪い”や“貞子”に万物の法則やルール、常識は当てはまらず、よくわかんないことになっても貞子はこっちが理解するまで待ってくれない。

それでいて、絶対に消滅することもなく、助かったと思っても助かったことにもならない。それが『貞子』。

伽倻子以来、彼女を窮地に追いやった者はいない。
先日の『貞子DX』も消滅したかと言えばしてない。

いつか、『貞子ファイナル』とか『エンドオブ貞子』みたいな作品、貞子を脅かし、呪いを駆逐する存在を求む。


F:1896
M:6548
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