一言で言って最高でした…
レビュワー様方の酷評が多いので観るのためらってたんですが、観てよかった。
たしかにね、不朽の名作『リング』の系譜として見ると物足りないかもしれない。それはこれまで観てきた者としてはわかります。「貞子おまえ、最初の設定どこ行った」状態だし、恐怖演出も弱い。
しかしながら「マンネリ脱却」という意味ではアリだと思います。
そもそも、日本人は「マンネリ大好き民族」だと思うんです。ゴジラ、ポケモン、名探偵のおとな子供。
決して「マンネリが悪い」と言いたいわけではなく、長く続いてるからこそ、そのフォーマットを踏襲することによるカタルシスがあるのはわかるんです。水戸黄門の印籠的な。
しかし今作はそのフォーマットをあえて捨てて、新しいことをやろうとしたように感じられます。
シリーズを知る者にお決まりの設定がなくなったことで、先が読めない展開になっている。「ここでこうしては?」というのがまったく当てはまらないので、終始ハラハラしながら観られて楽しかった。
姉と弟の絆がフォーカスされていたのも良かった。加えて、主人公と超能力少女との心の交流に涙。
愛されなかった者たちの悲しみ、孤独、憎悪、呪い、そして愛情。ホラーの名を借りた、良質な人間ドラマを観た気分です。恐怖の中にある感動が眩しかった。
しかし、最終的に誰も救われないのがさらに良い。やっぱり正しくホラーだった。ホラーにハッピーエンドは必要ない。
池田エライザ大好き。
眉をしかめた困り顔させたら世界一じゃないかと思います。
あと『女王蜂』によるエンディングテーマかすごく良かった!