LalaーMukuーMerry

オンネリとアンネリとひみつのさくせんのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

4.0
私はおっさんですが、可愛いからこんなのも見ます。けっしてロリコンではありません(笑)。子どもは社会の鏡。子どもの目を通して世の中を見る、緩~くて優しい良作。
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フィンランドの小学校高学年の仲良しの女の子オンネリとアンネリは、街はずれの森の中の一軒家でなぜか二人だけで暮らしてる。その街にあたらしい子供の家(孤児院)ができて、親代わりの先生と子供たちが大勢(10人くらい)やってきた。でも何かおかしい。先生のミンナビンナは、掃除と「改善」にしか興味がなく、子供たちは規則に縛られて楽しく遊ぶことができず元気がない。一人の男の子が抜け出して、オンネリとアンネリの家に逃げ込んで来た。

Q:男の子と子どもたちを助けるために、オンネリとアンネリのしたことは何でしょう?

ヒント:日本の教育を受けて育った子どもには、このアイデアはなかなか出てこないよねぇ。(フィンランドの教育のすばらしさについては、「マイケルムーアの世界侵略のススメ」にチラッとでてくるのでよろしければ見てください)

A:市長に手紙を書いたのです、子供の家の子供達を助けてくださいと。
「遊びはこどもの仕事です。彼らは失業中です」
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ミンナビンナは決して悪人ではなく彼女なりに一生懸命やっているのだけど、いかんせんこの仕事には不向きなのだ。子供向け映画らしくファンタジー要素ふんだんの展開で彼女は排除され、新しい先生を迎えて子供たちは本来の幸せを取り戻す。新しい先生とは、職務とはいえ、逃げ出した男の子を見つけて子供の家に連れ戻したことに良心の呵責を感じて辞職届を出して失業の身となっていた心優しい警察官。
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「島流し」になったミンナビンナも、そこで新しい生きがいを見つけるという、登場人物すべてハッピーのストーリー。ほのぼのと可愛いだけでなく、よく考えられたお話でした(ちょっと無理はあるけどね)。
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アンネリとオンネリのお隣さんは、ちょいとエキセントリックな感じの二人暮らしのおばさん(同性愛カップル)だったり、仲の良い警察官夫婦も奥さんの方は子持ちの再婚だったりと、「伝統的」な家庭生活をしている登場人物は一人もいないのだけれど、みんなあたりまえのように普通に穏やかに生活を送っている、そんな社会がさりげなく子供向け作品で描かれているところに、うなりました。