camuson

アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場のcamusonのレビュー・感想・評価

3.5
2017年のフィンランド映画。amazon prime video視聴。
原作小説は未読です。原作は1955年と1985年に映像化されていますが、
いずれも未視聴です。

1939年にソ連がフィンランドに侵攻した「冬戦争」で失った領土の回復
を狙った「継続戦争(第二次ソ芬戦争)」を扱った作品。

領土の変遷を示す地図が挿入されるのと、
日時と場所を示すキャプションが入る以外は、
背景等がわかるような説明的描写はほとんどなく、
戦場の兵士の視点で、過酷な戦況を臨場感を持って描写しています。

最近の戦争作品は映像機材の発達やデジタル化の影響で、
いずれも映像が美しいものが多いですが、
本作も御多分に漏れず、戦地の大自然の映像が美麗です。

我々がよく見る戦争映画というと、ベトナム戦争や太平洋戦争などになり、
亜熱帯のジャングルのイメージが強いですが、
寒冷地の戦場は、また違った趣があります。
雪が降ると兵士も白装束となり、ガラッとイメージが変わります。

戦争映画を見る一つのメリットとして、その土地の地形や気候条件を、
否が応でも感じることができるというのがあると思いますね。
道なき自然の中を広域的に移動する描写って他にあまりないですから。

殊勲を上げると休暇がもらえて、
家族が待つ実家に戻って、麦の収穫を手伝ったりするなど、
つかの間ながら牧歌的な一面もあって、
これもまた趣があるなと感じました。
camuson

camuson