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アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場のriverのレビュー・感想・評価

3.9
トーベ・ヤンソンにサンタクロース、あとは何だろう?映画の前にフィンランドについて考えてみたけれど、ほとんど何も知らないことに気がついた。

アンノウン・ソルジャーは、第2次世界大戦中、フィンランドとソ連の間で行われた激しい戦闘を描いている。冬戦争でソ連に奪われた領土を奪還するための“継続戦争(1941年~1944年)”

物語は、機関銃中隊のベテラン兵・ロッカと数名の兵士たちを軸として進められていく。しかし、この映画の主役は歴史に名を残すこともなかった無名の兵士たちだ。

「奪われた農場を再建するのが夢だ」「死にたくないから敵を殺しているだけ」「人を殺すんじゃない。敵を殺すんだ」

職業軍人ではない普通の人々が、それぞれの理由で戦っていく。天上のように美しい森林地帯や雪原や塹壕の中、理不尽な命令に従い、理不尽な死に怯えながら。

けれど歴史は変わらない。領土は奪われたまま休戦し、フィンランドは敗戦国となる。結果はわかっていたとはいえ、映画で敗戦を体験すると言葉をなくしてしまう。あの無残に死んでいった兵士たちの魂はどうなってしまったのだろう。

鑑賞後は、フィンランドの悲しみにわずかかもしれないけど共感でき、以前よりもフィンランドを近しく感じられるようになった。まずは、あの谷に暮らす妖精たちの話でも読み返してみようかと思う。