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アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場のYuのレビュー・感想・評価

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フィンランドといえば、サンタクロース・ムーミン・オーロラ・残酷ショッピングとか、そんな感じだけど、ロシア(ソ連)とドイツに挟まれてる第二次世界大戦の敗戦国ってことをすっかり忘れてました!
バルト三国がしっかり独立して、文化も言語も残ってるのってスゴい!って思ってたけど、フィンランドの国自体が残ってるのもめちゃめちゃカッコいいですね、

ソ連との冬戦争で奪われた領土奪還を目指す継続戦争が舞台。ドイツと同盟を組んでの戦争なんだけど、本作では政治の戦争っていうよりも、家族や家を守ために戦う男たちの話だから、歴史的なバックグラウンドはあんまり知らなくても楽しめるかも。

まぁ戦争映画のほとんどは登場人物にフォーカスされた作品だから、特にそこが!っていう感じじゃあないんだけど、敗戦っていう結果を知ったうえで見ちゃうと、ちっちゃいことで喜んでいる兵士とか、休暇に結婚してる兵士とか(戦争映画だと一番まずいやつ)、19歳で戦線に立たされる(これも残念ながら戦争映画ではまずいやつ)のをみると毎回心が痛くなるんですよね、、

で、今作は「ワンシーンに用いられた最大の火薬量」のギネス記録を持ってる作品で、ワンカットで70.54KgのTNTを使ったんだとか。100m先の建物がぶっ飛ぶ量の爆薬を使った映像は、めちゃめちゃ迫力があって、これは映画館で観たかったなぁ〜
マイケルベイ的な頭の悪い使い方はしてないんだけど、なんだろう、とにかく破片が飛び交っててすげー怖かったです。
もちろん戦車を爆破するシーンは2回あるんだけど、そういうガソリン爆発じゃなくて、メインは森林に作った塹壕やタコ壺を一網打尽にするための爆撃になってるんです
だからとにかく木片、石、湿った土が粉塵状になって無作為に広がっていくんですよね、、これが手榴弾なのかぁって、なんだか改めて知った気がします、まぁ「映画の中で」なんだけどね

で、3人の主人公がいてそれぞれの視点で話が進んでいくんだけど、もうさ、全員かっこいくてもう思い出すだけで、ちょっと辛くっちゃう、、全然感想じゃないんだけど、主人公たちのプロフィールを紹介するね!

1.少尉 カリオルト/ヨハンネス・ホロパイネン
婚約者をフィンランドの首都に置いてきた小隊長。真面目くんなんだけど、若さというか戦いへの怯えもあって、でも小隊長っていうこの映画ではかなり高い地位についているから、部下に厳しく自分にも厳しいヤツ。作中では戦争の英雄を目指す唯一のキャラクター。すげーイケメン。「隊長は英雄になりたいんですね」って言われてビクッとしてる表情がたまらなんッ!

2.少尉 コスケラ/ジュシ・ヴァタネン
隊を率いるボス。基本的に笑わないけど(笑わないライアン・ゴズリングみたいなイメージ)部下思いで先陣切って突む。「俺を呼ぶときは”殿”をつけるな。」かぁっこいい!!

3.伍長 ロッカ/エーロ・アホ<=阿呆じゃないよ!
冬戦争から戦ってきたベテラン歩兵。前回の戦いでいろいろ経験したのか基本的に落ち着いてて上官に対してもいうことは言っちゃう。つかみどころのないひょうきんイケオジ。一見だらしなく見える態度にカリオルトは違和感を感じてるんだけど、ロッカと話しているうちにお互い認めえる関係に、、ラブかよ。ちなみに主人公たちの中では一番好きでした!!!だからこそラストシーンは、見てて一番きつかったけど、、

そのほかにもロッカの友達のスシやら、なんかロードオブザリングのサム?トム?みたいなやつとか、カイロレンみたいな人とか、みんなサイコーのキャラクターがいてさ、すげーありきたりだけど、歴史に残っていない無名の英雄たちがたくさんいるんだなぁ、と改めて実感しちゃいました。

で、最終的にソ連が出した講和条約の中には領土返還はないわけで、あれなんだけど、ロシアがめっちゃ広い理由もなんとなんとなくわかっちゃうよね〜北方領土がどうこういうつもりはないけど、政治ってこえーって思いましたん
でもでも国家としての独立を保って、ヤバい国に囲まれながらも国を維持したフィンランドのトップはなんかかっこいいですよね〜!

フィンランドって教育とか社会福祉とかアートとか、残酷ショッピングとか、なんとなくだけど日本からすると女性からの人気が高いイメージのある国なんだけど、その礎を作った男たちの映画ってなんかめっちゃかっこいいじゃん!!
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