驚いた。
岡田准一が一皮剥けている。この役者は『神々の山嶺』の頃にはまだ変な癖があって、その後の演技にも残っていたから観ていてツラいなぁと思っていたんだけど、この映画ではそれがない。ないってこともないけど、気にならない。すごい。
あと、山田涼介!この役者もかなり成長している!驚いた。演技がどうというより、顔つきが変わった!
柴咲コウに関しても驚いた!というのも、私は彼女の初々しき『GO』を見た直後だったので、それもあって彼女の顔や立居姿に現れる年月の程に思い馳せてしまうのだけど、よかった!
映画を見ると、人というものが歳を重ねることへの憧憬が胸に込み上げてくる。この映画から味わったのはそれだ。
内容のほうも良かった。原作小説を読んでいる身としては、変な先入観があって主役の配役に不満を持った…のも冒頭くらいで、全体的に素晴らしい。
土方歳三の生きた時代の全体が新撰組と至誠館(だっけ?)の面々の群像を追う形でよくよく見晴るかせられて。素晴らしい。
形の良さ。バラガキが生意気を言っていたその言葉が堂に入ってくるダイナミクスは胸を打つものがある。