やまモン

燃えよ剣のやまモンのレビュー・感想・評価

燃えよ剣(2021年製作の映画)
3.9
【ラストシーン命】


司馬遼太郎の「燃えよ剣」を原作とする作品である。

原作がとても好きなので、この作品にも期待しつつ、映画館へ向かった。

原作の「燃えよ剣」については、ラストシーンが素晴らしい。

どのくらい素晴らしいかと言うと、そこに至るまでの長いくだりは、全て前座に思える程である。

なので、映像化された作品についてもラストシーン命である私は、長い「前座」を追いつつ、「その時」を待ち続けたのである。

結論としては、この作品のラストシーンはとても気に入ったものであり、それだけでも私は満ち足りた気持ちになった。

内容が冗長であるとか消化不良であるといった批判があるようであるが、関係ない。

思う存分ラストシーンを楽しんでもらいたいものである。
勿論、原作のラストを読んだ後で。

作品そのものは1950年代辺りの昔の骨太な作品を意識して作られているように思われた。

残念ながら、俳優陣が現代人であるため限界があるが。

しかし、岡田准一はいい味を出していた。
土方歳三の所作や美意識から、人物像を明確な形で描き出すことに成功していたように思われる。

今後にも期待したい。