たまこ

窮鼠はチーズの夢を見るのたまこのレビュー・感想・評価

窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)
4.1
大切な妻がいながら不倫を繰り返す大伴を、学生時代の後輩今ヶ瀬が訪れる。
今ヶ瀬は実は探偵で、大伴の妻からの依頼で浮気調査をしていたのだった。
浮気の証拠を揉消す代わりに、今ヶ瀬はある提案をする。

2日連続で、ながら見できない名作に出会えた。

久々に、大人が見るに堪える至極の純愛映画を観た。

今ヶ瀬の大伴への真っ直ぐな想いに胸が痛過ぎて痛過ぎて張り裂けそうになり、
関係が幸せそうであればあるほど終焉に近づいてる気がして、涙が溢れて溢れて枯れてしまいそうだった。

なんとなーく女が寄って来て、
なんとなーく付き合って、
なんとなーく結婚して、
なんとなーく別の女が寄って来て、
なんとなーく断れず関係を持っちゃって、

そこへ突然今ヶ瀬が現れて、
最初こそ拒否するものの強引な今ヶ瀬のペースに呑まれていって、
いつのまにか居心地よくなってて、
共に生活するようになって、

でも寄ってくる女は次から次へと湧いて出てきて…。

ハーメルンの笛にただついて行くだけの鼠みたいな大伴。

今ヶ瀬も大伴をどうしよもないクズとはわかってるんだけど、好きな気持ちを抑えられない。

「見た目がキレイで自分に良い思いをさせてくれる完璧な人をみんな探してると思ってるんですか?
そういうもんじゃないんだよ。」

この今ヶ瀬のセリフに、完全に撃ち抜かれた。そうなんだよ、そんなキレイ事じゃないんだよ、恋愛は。

大伴に惚れる媚びた女たちや所有欲の塊みたいな女よりもよっぽど今ヶ瀬に共感しすぎてもはや頭が痛い。

笛についてくしか能のなかった大伴が最後に大胆な決断をするが、私にはあれ以外の展開はあり得ないと思えるくらいにしっくり来た。

大倉君も成田凌もキレイ過ぎてうますぎて、後半はただ二人を見てるだけで感情が昂ってしまった。

これからピザーラのCMを平常心で見られる自信がない。
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