気になりながらも「濡れ場がえぐい」というレビューをいくつか見つけて鑑賞を後回しにしてた。けれど濡れ場はエロを目的とはしてなくて本当に純愛というか、あるあるといるいるの繰り返し。描かれていないとこまで見えてきてしまう。そばにいるだけで良いと言いながら多くを求め始めたり、張り合ったり陥れようとしたり、嫌な部分も恋愛で、ふだん恋愛ものはリアリティなかったり逆にリアルだとあまりに憂鬱だったりでほとんど見てないけれど、本作は少しずつ関係が強くなったり揺らいだりひととして成長したりという流れが珍しく清々しい作品。ラブコメや泣かせ系でもなく、棘は多いけれどスカっとした気持ちになれた。こういう恋愛ドラマに初めて出会えてうれしい。
主演の俳優さん見たことないけど、いままでどこにいたんだこのおじさん。と思ったらジャニーズのひとなんだ。意外だー。うまい。やることクズなんだけど憎めないというかただのアホにも見えて個性がとてもよかった。成田凌はやっぱりすごいなー。女性陣も見たことないひとばかりだったけれど1人1人魅力的で視線の使い方が独特。キラキラしていてひやひやする。特にたまきさんはひたすら良い子で母親まで登場させといて…ってところ、観客のお気持ちは無視して恭一の成長が描かれていてぐっときた。最近食傷気味なLGBTの問題を前面に押し出してくる要素も全くなく、純粋に少しずつ変化する心理描写がほんとうまく描かれていて、面白かった。見てよかった。
