かわとも

窮鼠はチーズの夢を見るのかわとものレビュー・感想・評価

窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)
4.0
恋愛の映画。
男同士とか、そんなことより、恋愛、愛することの。

ゲイである今ケ瀬がストレートの恭一へ恋心を実らせるのはそりゃ、大変骨が折れるし、逡巡するだろうし、逃げ出したくもなるだろう。だって、いつかオンナに戻るかもって、思わないわけない。
今ケ瀬にとってはこれは毒でもある。

対して恭一はまぁ、易きに流される。
誰の事も本気にはならないんだろー?って感じ。
都合がいいオトコとしてはサイコーです。
呼んだら来てくれるし。
誘わなければそれで終わり。

面倒なオトコを愛してしまうけど、好きになるのに理由なんて…。あるようで、無い。理由がスラスラ言えるのは、相手にのめり込んだ事がないヒトなんだと思うわけです。素晴らしいヒトだから、愛するわけではないんですよね。

作中の女性たちの無神経な言葉が突き刺さる。
女性はこんな物言いしていないか、振り返って方がいいです。相手が誰であれ。
元妻、元カノ、結婚前提のカノジョしかり。
一番気になったのは、オトコとオンナだよ?と、当たり前にオンナ選ぶでしょ!と、ドヤ顔なシーン。
とゲイだから?と。ズカズカと初体験の事を訊くシーン。
こういう無神経なことは許されません!
マウント取ろうとしすぎでは?
そういうしちゃダメだなぁって改めて。

ゲイってだけで色々あけすけに言われるなんて、納得いかないです。しかし、そういことが多いんだろうと、思ってしまいました。

この作品は言葉が刺さります。
原作も読みつつ、言葉の素晴らしさもご堪能いただきたいです。

主演のお二人、素晴らしい演技でした。かなり生々しいシーンが多かったので、ここまでやるんだ、と驚きました。でも、それでいいんだって思います、なので、リアル。そして、今ケ瀬の仕草がたまらなくいい。色気と可愛さと、可愛がってあげたくなるよ、ホント。

恭一は恋、愛が理解できるようになったんだと思います、

愛し愛されて生きるのさ。
かわとも

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