なつこ

窮鼠はチーズの夢を見るのなつこのレビュー・感想・評価

窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)
4.2
原作未読ですが、これは行定勲で正解…というか行定勲じゃなきゃだめなやつ!つまりココロ全部持っていかれました🥺
ありがとう…

苦しくて切なくて寂しくて愛しくて…息が詰まる。
こんなに苦しいのは久しぶりです。
小さな幸せも、より苦しみを引き立てるんだろうと分かっていても、今ヶ瀬の仕草や表情の小さな変化を見逃さないようにと、スクリーンに釘付けになり逃げられない。
今ヶ瀬が恭一から離れられないみたいに。

大倉ハマり役だったー。
本気で人を愛せないのに、とても優しい。でもその優しさは誰も幸せにしない。
一緒にいるのに手が届かない…あの感じは出そうと思っても、出せる俳優さんと出せない俳優さんがいると思う(上手いとか下手とかではなく)
体も「成田くんに合わせた」って言ってたけど、ほんと筋肉落ちてた。かなり絞ったね。でもおかげで2人の体のコントラストは素晴らしかった✨

成田凌はもう、彼じゃなかったらダメだったと思うくらい、可愛くて切なくて苦しくて、見てるだけで寂しさに押し潰されそうになる。アカデミー上げたい。本気で。
ベッド脇のハイスツールで膝を抱えてタバコを吸う、あのフィギュア下さい←

吸わずに燃えていくタバコの灰が落ちる瞬間て、その瞬間だけタバコにピント合わせる演出が多いんですが、今作では、灰が落ちる瞬間も成田くんの横顔固定で静止の行定監督最高です。

「お前を選ぶわけにはいかない」って言われてから「はい」って言うまでの今ヶ瀬!
成田凌天才か!!!!
DVDだったらあそこ延々リピート案件。

しかし、瞳がうるうるしてるのが大切って言っても、それを体現できるの凄くないですか?
ほんとに瞳が潤んでたし、言いたいことを言えない今ヶ瀬の目は、とても雄弁だった。

全部良すぎてまとまりない感想ですみません💦
鑑賞後は行定監督のインタビューもぜひ!
https://www.lmaga.jp/news/2020/09/155518/


以下大好きなシーンの感想
ネタバレを含むので↓


















今ヶ瀬がワインを貰うシーンがすごい好きでした。
嬉しくて思わず抱きしめて、飲まない、飲んだらなくなっちゃう、と言う。
大好きな人からの初めてのプレゼント。
大切な大切なワイン。

「また来年買ってやるから」
という恭一の言葉は、恭一にとってはたいした意味もないが、今ヶ瀬にとっては「来年も一緒にいるという未来」を約束してくれた言葉。それを信じてはいけないと分かっていても、嬉しくて頬が緩む。
可愛くて、でも切ない😭

ポテチのシーンも好き!
ふいに髪に触れられて、今ヶ瀬はきっと嬉しいんだけど、何か言うとこの空気が壊れてしまうから、なんでもないようにまたポテチを手に取る。
その髪に触れるのは、相手への愛しさの表れだと私は思うので、恭一にとって今ヶ瀬はちゃんとそういう存在なんだな。って、このシーンを見ていて嬉しくなった(完全に今ヶ瀬目線 笑)

今ヶ瀬と別れた後、今カノの質問に答えながら、恭一の視線はふわふわしていて、ああ今ヶ瀬の事を考えてるんだなって分かるし、「忘れるわけないのに」とか、「オレは幸せだった」とか、彼女への解答が、全てを物語っていて、穏やかな朝のシーンなのに苦しくて堪らなかった。
中でも彼女がハイスツールに座った時、恭一がすかさず「こっちおいで」って…胸がぎゅーってなった。
彼女を抱きしめたかったのではない。椅子からおりて欲しかったのだ。
そこは今ヶ瀬の場所だもんね…😢

あーもー切ない!
でもあのラストはとてもしっくり来たんですよね。
切ないけど清々しくて、あれ以上のものはない気がします。