ヨダセアSeaYoda

フォードvsフェラーリのヨダセアSeaYodaのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.5
‪観た回数:初回
直近の鑑賞:映画館(20.01.10)
---

予告映像では分からない傑作です。

【STORY:2人の男よ、不可能を可能にせよ!】
フォード社は成功のため、フェラーリ社にレースで勝利しようと試みる。
誰もが不可能だと思われる中、挑戦を任された元レーサーのシェルビーは、性格に難ありで敵も多いレーサーのケンを信じる。
仲が良いんだか悪いんだかな名コンビが、無謀な挑戦に挑む!


【予告だけでは伝えきれない魅力】
予告ではやはり、予告映えする部分「無謀な挑戦の面白さ」や「レースのかっこよさ」がどうしても目立ちました。
ふと予告を目にしただけでは、ただ車がブンブン競い合う男臭い映画に見えない事もないので、スルーしてしまう人も多そう。

当初僕もタイトルを聞いたり、少しポスターを目にしたくらいの時は完全にノーマークでした。
"本国でかなりの高評価"という評判を耳にしたことと、主演2人の豪華さに惹かれたことで徐々に観たくなりましたが、
本当に観てよかったです。

もちろん挑戦の面白さやレースのかっこよさ・緊張感は十分楽しめますが、本作はそれだけでなく、人々の関わりや心情を綿密に描き、何度も感情と涙腺に訴えかける作品でした。


【豪華俳優の最高のコンビ】
名コンビを演じるのは豪華にもマット・デイモンとクリスチャン・ベール。

身勝手に計画を押し付けようとする会社上層部の人間と、感情的に彼らを煽りやすいケンの板挟みで、ふつふつと沸く感情をコントロールしなければならないシェルビー。
難しい表現を絶妙に演じ切るマット・デイモンには脱帽です。

感情的なケンは、自分を度々見失いそうになっては周囲の人間の力や自己暗示によって自分を奮い立たせる繊細な人物。
これまでも強さと繊細さを併せ持つ人物がよく似合ってきたクリスチャン・ベールが安定の演技を見せつけました。


【"見たい"を見せてくれる!!】
内面的にも映像的にも、視点のチョイスが最高です。
ドラマシーンでもレースシーンでも、各場面に応じて、1番感情移入したい人物の立場で、1番見たい視点の映像を見せてくれます。
それが最高に気持ち良く、‬何度も感動や興奮の溜め息を漏らしてしまいました。

どこまでも広がる空と道の真ん中にポツンと車を置いてみたり、構図も鳥肌が立ちました…


-----

【個人的ランキング】

《2020年日本公開ベスト10》
①燃ゆる女の肖像
②パラサイト 半地下の家族
❸フォードvsフェラーリ
④TENET テネット
⑤ジョジョ・ラビット
⑥Mank マンク
⑦シカゴ7裁判
⑧ザ・プロム
⑨レ・ミゼラブル
⑩スウィング・キッズ
ヨダセアSeaYoda

ヨダセアSeaYoda