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フォードvsフェラーリのYACCOのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.0
車に疎く、レースといえば、80年代から90年代のF1におけるマクラーレン・ホンダのアイルトン・セナ、アラン・プロスト(プロストもフェラーリのりましたね。ナイジェル・マンセルもフェラーリにのっていたと記憶)、ベネトンからフェラーリのミハエル・シューマッハの時代しか知らない私なので、フォードってレースに出ていたのか、それもル・マン24時間レースに、という興味とこの映画の前評判の高さから鑑賞。アメリカの車、フォード万歳!って映画だったらどうしようと思っていたが、結果、どんなに敵役としてフェラーリが嫌な奴に描かれようとも、私はフォードがもっと嫌いでした!(笑)

いや、そもそもなぜ、「Ford vs Ferrari」なのか…
今作でマット・デイモン演じるキャロル・シェルビーはアメリカ人だが、レーサーとして活躍していたのはイタリヤやイギリスのチームで、フォードから呼ばれて参加することになったらしいし、クリスチャン・ベール演じるケン・マイルズもイギリス人らしい。どちらかといえば、このふたりをはじめとしたレースチームvs フォード経営陣 といったほうが正しい気がする。あそこまで嫌なやつにかかれたフェラーリが気の毒な気がするけれど、当時はあんな感じだったのかしら…

とはいえ、キャロルとケンの二人を中心としたチームが上からのよくあるおかしな圧力に屈せずレースに挑んでいく姿は心をうったし、レースシーンも秀逸で見ている側も力が入った。最初はそんな簡単にいくわけはない、いってたまるかと思ってみていたのだが、徐々に応援したい気持ちが芽生えてきてしまった。そして、感動のラストとなるのかと思いきや、現実は…
そして、再びここで思うのだ。やはりフォードは好きくない!
フォードがル・マンを制したのはキャロルたちが作ったエンジンを搭載していた時代だけであるというのが何かを物語っていると思う。それとともに、もう変えることのできないいくつかの事実がそこにあるから、多分この映画はレースや車に興味がない私のようなものが見ても、何か感じるものがあるのかもしれない。
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