BB

フォードvsフェラーリのBBのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
5.0
『アイ〇ンマン』撮影後のジョン・ファヴローもそうだったけど、マーベルシリーズで作品撮った後のフラストレーションってすごいな…笑 フォードの副社長みたいな奴が上層部にゴロゴロいそうだし。爪男後のジェームズ・マンゴールドのグツグツ煮えたぎる怒りもうまい具合に本作に昇華されていたんじゃないかな…いやー凄い。傑作でした。.
『3:10 to Yuma』同様、マンゴールドは父子の関係を描くときに息子の視点を大事にする。夫婦の会話のときは息子が、父子の会話は妻が、そのようすを部屋の外から見聞きしている。こういう展開が顔のアップ繋ぎをドラマティックなものにしていく。そして今回もカオ(表情)のチョイス抜群。レーシングカーに乗せられたヘンリー・フォード2世(トレイシー・レッツ)がもう最高😂一等賞。
ボクシングのリングサイドから見上げる関係と違って、中心のサーキットは低い位置にある。観客席から見下ろす高さ。この高低は家の前で大喧嘩しているマット・デイモンとクリスチャン・ベールを遠くから眺めるマイルズ妻(カトリーナ・バルフ)の位置関係と同じ。この高さ・遠さがラストにも繋がる。声の届かない距離だからこそのアイコンタクト。エンツォ・フェラーリもそう、飛行機から降りてスピーチしたときのシェルビーとケン・マイルズもそう。合図を交わすだけ…。泣く。遠隔の映画じゃなくて、遠くを望むことで関係を構築する映画だった。
BB

BB