Shin

フォードvsフェラーリのShinのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.3
モータースポーツには全く持って疎いのですが、やはり見逃せないと思い鑑賞してきました。

90年代のことですが、ホームステイ先のホストファミリーがアメリカの地元のカーレースに連れて入ってくれたことを思い出しました。日本でモータースポーツと言えば、少し敷居が高いですが。アメリカでは気軽に楽しむ人気のスポーツとして根付いていたことを覚えています。

本作でまず注目したいのは映像です。このご時世にありながら、CGに頼らず実際のセットで当時の様子を再現しているんです。ル・マン24時間耐久レースのレーストラックや観客席を細部にまでこだわりイチから作り上げているというから驚きです。

そして、このコースでフォードGT40を実際に走らせているケン・マイルズ役のクリスチャン・ベイル。スタント・ドライバーから1週間の特訓を受けたそうですが、まさに本物のドライバーにしか見えません。レース中に響き渡るエンジン音は心地よく、彼が単独で直線を疾走する高揚感は、まるでこちらも実際に運転しているような気にさせてくれます。運転している人ならわかる、スピードを上げた際まわりの時間が止まり、自分だけが別世界にいるようなあの感覚です。

マイルズの息子ピーター役のノア・ジュプは見たことがあるなと思ったら、『ワンダー 君は太陽』に出てたんですね。父親にあこがれる一人息子を好演していました。

そしてもう一人の主人公であるシェルビー(マット・デイモン)は、常にフォード社の上司たちからのプレッシャーに耐え葛藤しながらも、マイルズへの信頼を失わない熱い男でした。
"わたしはどこへ行くのか"自問しながらも常に前進し続けた彼を見習いたいです。

まさに車輪のように一心同体であったマイルズとシェルビー。シェルビーがスピーチで語った彼の父親の言葉どおりの生き方をした二人の友情は感動的でした。
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