まめまめちゃん

フォードvsフェラーリのまめまめちゃんのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.5
1日でもなく公開して結構経つのにお客さん多かったな。アカデミー賞効果かな。

1960年代アメリカ。フォード社はレースで経営不振となったフェラーリ社を買収しようとするが、あっさり断られる。フェラーリ社に対抗するため、レースを引退しカーエンジニアとなったシェルビー(マットデイモン)に声がかかる。歯に絹着せぬ物言いのレーサー:ケン・マイルズ(クリスチャンベイル)と共に、ついにフェラーリが圧勝してきたル・マン耐久レースを走ることとなる。シェルビーとケン、フォード社の運命とは。

スポーツカーは好きじゃない(ハンドルの遊びのなさと燃費がね〜デカい四駆を街乗りしてる人が言うことではないが)けど、ワゴンをぶっ飛ばす奥さんの気持ちには共感できる。


マットデイモンの、元レーサーのイメージと少し違って抑えめな演技がかえって良かったと思う。そして私はクリスチャンベイル贔屓でして。今回は強くて愛情豊かな、悪戯っ子のような男。安定安心の演技で納得。ずっと見ていたい。
でも名バイプレーヤー(主役ももちろんある)である、今回はフォード社の経営陣の中でも鼻の効く男ジョン・バーンサルがすごくいい仕事をしてた。マットデイモンとクリスチャンベイルが大方の予想と障壁を越えていく様を経営陣は苦々しく思っているところ、その中にいながらニコニコ顔のジョンバーンサルが小さく映る。そういう場面が何度も出てくる。ぜひ彼を探してみて欲しい。あーこの人はこの2人組推しなんだねとホノボノする。

演技や心情表現はもちろんのこと、レースのスピード感や爆発の衝撃、緊張感もハンパなく映像できっちり表現されていた。見てないけど映画見てた人みんな拳を握ったり足を踏んだり汗かいたりしてたんじゃないかな。そのくらい共感してしまう。

映画ならではの演出が若干クドいというか、遠くのフェラーリの社長と目が合ってうなづく?とかあり得んのやけど、ジョンバーンサルの件もそういう意味ではクドいと思う人もいるかもね。
副社長の悪者感とか見てると勧善懲悪物語か!と思ってしまう(少し違うけど違わなくもないか?)ところもある。しかしキャスティングが良く演技巧者ばかりの映画だからなんだか許せてしまう。いい!と思っちゃう。楽しい映画体験ができたとしか言いようがない。