このレビューはネタバレを含みます
“何の話をしているんだ?”
レースを終え、勝利が自分のもとにないことを悟り、マシンの改良点をシェルビーに伝えるときにマイルズがこぼした言葉
やすやす勝利を逃してしまったのに
自分がその結果に驚くほど執着していないことに対する戸惑いからこぼれた言葉のようだった
このとき、レースを見ていた人の目は優勝したレーサーとフォードに向いていた
このシーンが刺さった
世間に見向きもされないが本当の立役者というのは存在する
いわゆる裏方仕事
自分もどちらかというとそちら側の人間だから
殊更刺さるのだろう
結果を出すことを求められそれに応える
結果を出すことだけを求めて奮闘する
しかし、結果を求めて本当に自分を捨てきったとき見えてくる何かがある
マイルズはあの直線コースでそれを悟った
だからスピードを落としたんだろう
確かにそれを手に入れたことを確信したから
結果を逃したときは本当に悔しい
自分には当たらないスポット
しかし、限界ギリギリの縁に立った自分に出会うとき
それは勝ちとか負けとかっていう次元を超えた世界なのだろう
そんな世界を追い求めて