やんげき

フォードvsフェラーリのやんげきのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
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自分の人生に挑みたくなる最高の映画!

1966年ル・マン24時間耐久レースで王者フェラーリを負かしたフォードの挑戦という実話が元になった作品。「シェルビー・アメリカン」オーナーのシェルビーとレーサーのケン・マイルズはフォードの挑戦を現実のものにするためタッグを組み、改造や調整を繰り返す。フォード上層部との軋轢などを経て七転八倒するもとうとうル・マンの舞台でフォードと激突する。そのレースの果ては。

前作ローガン以降、円熟味を帯びたジェームズ・マンゴールド監督のノリにノッた作品だ。スコアでも冒頭でも書いたが本作は素晴らしい映画だ。
ローガン同様にバディムービーだが、その旅は同じコースを回り続けるレースである。
だが、そこには日進月歩の努力と熱意と信頼があり、それらの集大で生まれるベストラップの積み重ねが本当の勝利につながるのだ!

この地味だが、素晴らしい積み重ねを本作は見事に魅せてくれた。

本作が伝えるのは、挑み続ける美しさと同時に、信頼に応えようとする不格好ながらも熱いスピリットだ。

また、これもシェーンを下敷きにしたというローガンから地続きのテーマだが「自分の生き様を通じて、学ばせる」というマイルズ親子の映画でもある。

ル・マンの前日の夜、息子ピーターにコースを説明するケンのシーンが忘れられない!
24時間耐久レースの中の1週目、そのべストラップ3分34秒の内訳を克明に息子に語り「毎周ずっとベストタイムでなんて走れないよ」と問いかけるピーターに「ああ、無理だろう。だが、挑戦することはできる」と応えるケンの答えこそ本作の全てだ。
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