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フォードvsフェラーリのItottyのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
3.9
開始早々、テレビで見ているのにエンジンなどのレース音がすごくて、さすがにこの世界を知らないトーシローでも胸が高まります!
この瞬間、何故映画館で観なかったのかと後悔するところは決まり文句。次への反省としたいものです。


そんな緊張感溢れるのドライブシーンから始まる本作の舞台は1950年台。ル・マン24時間耐久で、フォードがフェラーリに挑む物語です。
このドライバーに抜擢されるのが、クリスチャンベール演じるケンマイルズ。破天荒で猪突猛進な彼が、どのような壁を超えてル・マンに挑戦するかが描かれます。
このクリスチャンベールは、マシニストばりに(は言い過ぎですが、久しぶりに痩せ型体型にしています)痩せこけていて、いかにも車のこと以外は眼中にないような愛すべきキャラクター。実際はどんな人だったかはわかりませんが、そのキャラクター像でハートを掴むのは本当にさすがだなって感心します。


あと、ケンマイルズがドライバーとしてレースで戦うのと共に描かれるのが、フォード内での争い。
マットデイモン演じるキャロルシェルビーが、ケンマイルズをドライバーから外したい首脳陣との駆け引きにうって出ます。
この辺り、まさに敵は味方にあり!と言わんばかりに、半沢直樹のごとく立ち向かうわけです。
フォード社長を乗せて一世一代の作戦に出たときは、感動で震えました。あんな大胆な行動に出てまでも、自分の仕事を成功に導くという、執念、情熱、度胸!
それは決して外野にいては見えない光景で、シェルビーもまた1人のレーサーだったが故にマイルズと同じ目線で戦った戦友だったわけです。このシーンが私の本作のハイライトでした。



レースというものを通して、チームの人たちの想いの集まった結晶を見た気がします。
私も思わず、うまくいかない仕事や困難な壁に対して、どうやって勝利を手にしてやろうかと、考えてしまったほどです。
彼らの情熱の炎は、時代を超えても、これからも消えることはないのだと思いました。
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