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ピアッシングのjuriのネタバレレビュー・内容・結末

ピアッシング(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

村上龍は結構好きなので、本作を見ないという選択肢はありませんでした。
とは言えこの原作は読んでないんですけどね!

いや!面白かったですよ。
評価も低いしハードルをめちゃくちゃ下げて鑑賞したんですが、デザインもよかったしミア・ワシコウスカがハマってた。
訳わかんないと言われればそうなんですけど、村上龍の本を何作か読んでいて好きであれば理解できなくとも楽しめる作品に仕上がってるのでは?!と思います。

このM嬢は受け側で呼ばれたはずなのに主導権握りっぱなしですね。笑
SMとは表裏一体で、どちら側を演じるかはさほど問題ではないのかもしれないですね。

主人公の母親のトラウマ?のシーンを見て、村上龍の最新作に興味が湧きました。
確か母親に関するお話だったような。

追記 2021/9/5
原作を読みました。これは...すごい傑作です(小並感)。映画を見た時は、トラウマ的なものが登場人物の背景にあるのは理解しつつも、単にSMの映像世界を楽しむだけでもよいのかなってフワッと思ってました。だってSMって、性癖ってそういうもんでしょう?性癖でなくても一般的に人に受け入れられにくいものはああそうかって個人で勝手に楽しむしかないじゃないですか。と、思って開き直って見たんですが、原作を読むとああこのときそういう気持ちで、とかこういう意図があってっていう人物の動機が分かって納得納得、気持ちがいい。そしてSMは村上龍が表現したかったものを翻訳するモチーフでしかないのですね。映像作品だと、しかもそれが日本語でないとそこまで伝わらないのがもどかしい。でも原作がある映画って大なり小なりそのジレンマは感じるよね、文章の方が緻密に書けるから仕方ない。それを踏まえていうと、監督の原作へのリスペクトは大いに感じられたのだけどもう少しだけ主演2人の過去のシーンがあってもよかったのかな。だってこれじゃあSMに抵抗を覚える一般の人がとっかかりにくいよ。
私は観賞後に「村上龍の本を何作か読んでいて好きであれば理解できなくとも楽しめる作品に仕上がってるのでは?!と思います。」と書いたのだけどそれは、村上龍の文章って人がいきなり怒ったりラリったり錯乱してることが少なくなくて、ピアッシングの後書きを読むと村上龍は他者とのコミュニケーションで100%分かり合うことを諦めてるんだと言ってました。ああ、だからかと納得です。私も人とわかり合うなんてことは難しいって強く思ってて、わかり合うことができるってメッセージがこの世に溢れすぎていることに辟易してる人間なので。
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