さぁ計画は万全だ。SM嬢を縛ってアイスピックで刺して巧妙に隠す…そう、全ては完璧だったはず。ただ訪ねてきた嬢がこれまたとんでもなく狂っており、もはや彼らの牽制は先の見えない攻守攻防に。性癖は人それぞれ。利害が一致するって凄い。
〈ポイント〉
・撮影の構図や音楽の入れ方など芸術ポイント高めな作品
・主要キャラ2人がとにかくアブノーマルなんだけど、実にお見事な演技を披露
・ミア・ワシコウスカのキュートさも垣間見せながら娼婦としての危うさも見事表現
・それぞれの思惑が合致したり思い通りにいかなかったりという牽制のし合いが見応えあり
・正直好き嫌いはハッキリ分かれる映画
〈雑感〉
劇場公開時観に行こうとしてて逃してしまった作品。
村上龍原作の映画化ということで、それだけで観てみたいと思ったミーハーですが、いやはや想像以上の変態映画でしたね。
『ピアッシング』ってタイトルの通り、つんざく(強い力で引き裂く)ような作品です。
主人公のリードはとあるホテルで綿密な殺しの計画を立て、その予行練習も事前にしっかりと行ないます。
一種の快楽のためですが、様子を見るに今回が初めての犯行。表情からも緊張が見てとれます。
対象は娼婦で、SM嬢を呼んでロープで縛りつつ、アイスピックで刺し殺すというとんでもなく悪趣味な手口を考えています。
やってきたのはミア・ワシコウスカ演じるジャッキーという娼婦。
緊張混じりで会話を始めますが、あんなに計画を練習していたにも関わらず「縛らせてくれるんだよね?」と異常なぐらい何度も確認。すると、もはや予行練習も無意味なぐらいとんでもないことが起きてしまいます。
という簡単な冒頭説明ですが、この映画の異常性はどんどんエスカレートしていくんですね。
いやぁなかなか狂った映画です。
しかし、彼らの性癖は理解できずとも、理解しようとしている自分が怖いなと思ったほど。
人は十人十色だし、色んな人いるよね、と。
オープニングとエンディングでたくさんの窓が設られたビルの外観を見せられるのですが、それがまさに個性は人それぞれというのを示唆したかのようでした。
自傷行為とか刺したりとか、痛々しいシーンは結構ありますが、その辺大丈夫な人で興味あれば是非ご覧ください。
81分なので、サクッと観れます。
〈キャスト〉
リード(クリストファー・アボット)
ジャッキー(ミア・ワシコウスカ)
モナ(ライア・コスタ)
リードの母(マリン・アイアランド)
シェヴォンヌ(マリア・ディッツィア)
医師(ウェンデル・ピアース)
※2022年自宅鑑賞83本目
※Amazonプライムウォッチパーティーにて