ShinMakita

ピアッシングのShinMakitaのネタバレレビュー・内容・結末

ピアッシング(2018年製作の映画)
1.8

このレビューはネタバレを含みます

ごく普通の男リードは、美人で優しい妻と可愛い赤ん坊がいながら、人をアイスピックで刺し殺してみたいという衝動に悩まされている。そんな彼は、出張先のホテルで独りになるチャンスを利用し、ついに欲望を実現させる機会を得た。出張風俗店に連絡し、部屋にSM嬢を呼ぶリード。紳士的に部屋に招き入れてベッドに誘導してクロロホルムを嗅がせて縛り上げ、そして刺す…イメージトレーニングもバッチリだ。しかしやってきた女ジャッキーはヤク中のメンヘラで、いきなりバスルームに入って自傷行為に浸ってしまった。殺人どころではなくなったリードは、彼女を夜間救急病院へと連れて行く羽目になる。処置を受け病院から出てきたジャッキーを拘束し、本来の目的を果たそうと考えるリードだったが…


「ピアッシング」。村上龍の小説を映画化したものです。

以下…その前に、何かネタバレしない?



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一言でいえば、「トラウマ男とキチガイ女の自傷他害コミュニケーション」を描いた映画。なんのこっちゃと思われそうですが、そうとしか書きようがないんです。リードの計画がどんどん破綻していく様はブラックコメディ調で、彼の記憶のビジョンはSFホラー調。街がミニチュアで作られ非現実感を醸し出せば、あってないようなストーリーはシュールの極み。しかし2人が暴力という共通言語を手にしてからはラブストーリーへと昇華していくという…色んな要素が詰まった映画と言えますね。全く2人の精神も感情も理解できないし、共感なんぞはカケラも抱けないんですが、ゴブリン・サウンドのクールさとデパルマっぽいスプリットスクリーン演出、そしてミア・ワシコウスカの可愛さがツボで、とても楽しめてしまいました。殺す者と殺される者の関係を、ホラーやサスペンスではなくコミュニケーションの齟齬として描いたのは斬新な気がしました。


余談ですが、イノセント・ガーデンでヌードを披露したミアちゃん、本作もピアッシングで乳頭を拝めるか⁈ と期待しましたが…なんか吹き替えくさかったなぁ。
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