Punisher田中

ゴーストランドの惨劇のPunisher田中のレビュー・感想・評価

ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)
4.0
人里離れた叔母の家を相続し、そこに移り住むことになったシングルマザーのポリーンと双子の娘達。
姉のヴェラは、奔放で正に今時の少女なのに対してベスは、ラヴクラフトの作品を愛読する内向的な少女。
そして、新居に到着したその夜、なんと2人の暴漢が家に押し入ってきたのだった....

唐突な襲撃から永遠と暴力を見せられるかと思いきや、とんでもない捻りを効かせてくるホラー作品。
いや、誇張無しで捻り過ぎて海堂のブーメランスネイクぶつけられたと思ったわ。
(テニスの王子様に絶賛どハマり中です。クソギャグに付き合わせてすいません。🙏)
タイトルに"ゴースト"と入っているから間違いなく霊的な何かが関わるホラー作品だと予想しがちだが、大きく覆される内容となっている。
ビビって未だ鑑賞出来ていない最恐鬱作品であり、グロ描写がえげつないと名高い「マーターズ」の監督作とのことだが、今作はグロ描写はそこまでキツく感じられなかったが、少女を虐待する描写はとにかく酷いので苦手な人は苦手かもしれない。
マーターズもそんな描写がてんこ盛りだと聞くから、これは監督の性癖なのか...?

怒涛の序盤から急にムードが一変する中盤から本作を漂う謎の違和感。その違和感の原因が次第に明らかになっていく展開には鳥肌が立った。ありゃすげぇわ...。
また、どんなホラー作品でも見所である、キャラクター達の理不尽な恐怖に対して屈しず、足掻き続ける人間の心の強さを今作でも強く感じられた。
名作ホラー作品のオマージュやアイテムを所々に敷き詰めているのがとてもベタに感じたが、同時にこれらのアイテムが暴漢のキャラクター像を上手く描写できていたように感じた。
テンポもかなり良く、ラストまで緊張状態で見ることができる90分という丁度良い尺の長さも本作を楽しめた理由の一つ。
1つの家族が2人の暴漢に突然襲われるといったシンプルな設定に捻りを加えたことで、一味違うホラー作品に仕上げていた。