フィクションは、
つらい現実から身を隠す幻の世界でもあり、
つらい現実に立ち向かった時にこそ生み出せる世界でもある。
理由も素性もわからない匿名の連中が、作品を殴り撫でまわし都合の良いお人形扱いする行為もフィクション。
そいつらを鉄の釘で刺した人が書けるファンタジーもあろう。
フェアな視点の映画ですけど、いかんせん監督の哲学主張が強すぎて、お話はちょっとわかりにくい。
音の脅かしが多いのは残念なマイナスポイント。
それでも、監督が物語の力を心から信じているサマに強く胸をうたれるし、作家も観客も奮い立たせてくれるエネルギーをもらえて感謝。
映画が好きで良かったわ。
手をぎゅっと握りしめたくなる傑作。