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ゴーストランドの惨劇のbadcatsadのネタバレレビュー・内容・結末

ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

怖すぎて疲れるくらいに心揺さぶられた。残虐シーンの演出は自分の心まで削ってくる。

お人形遊び男のあまりのガタイの良さといかれっぷりは最高。人形が喋るたびに癇癪を起こす大男なんて後から考えるとめちゃくちゃ可愛いけど、観てるときはそんな余裕はなし。
魔女っぽい方もドアノブをずっと持っていて主人公のベスがドアを開けようとしたら襲ってくるようなクレイジー。


暴漢に襲われたベスが自分の夢に逃げ込むという作りがわかってからの、ラヴクラフトに賞賛される夢のシーンはずっと鳥肌が立っていた。
現実のホラー作家を映画の世界に入れたことは夢と現実の交錯を感じさせたし、しかもそれがクトゥルフ神話と呼ばれる一つの世界の元を書いたラヴクラフトというのは個人的に大好きなセンス。


現実の世界から夢の世界へ行くということはベスが行った逃避行動だが、考えてみると自分たちも同じように現実の世界と夢の世界を行き来しているのかもしれない。辛い現実のひと時に映画を観て別の世界に浸ることは立派な夢への逃避。
パスカル・ロジェ監督は本作公開にあたってのインタビューで、ホラー映画は自分自身について知ることができるジャンルだと語っていたが、個人的にもこの映画でそんな感覚を突きつけられた気がする。
そしてもしかしたら今生きてるこの世界は、大男とお人形遊びをしてる自分の夢の世界なのかも…。そんな最後までずっと残るような揺さぶられ方をした映画でした。
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