ふっくー

ゴーストランドの惨劇のふっくーのネタバレレビュー・内容・結末

ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

INCIDENT IN A GHOST LAND


2007年「マーターズ」
2012年「トールマン」
そして2018年奇才パスカルロジェが6年ぶりに放つ、映画史上最も不快なトラウマ映画。
観る者を弄ぶ「絶望トリック」。

フレンチホラーの代表格パスカルロジェの最新作。「屋敷女」「レザーフェイス」のジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロや、「フロンティア」のザヴィエ・ジャンと並ぶフレンチホラーの衝撃問題作「マーターズ」を作り上げたのがパスカルロジェさん!!!!

個人的に人にお勧めできない映画堂々のぶっちぎり1位を、今もなお破ることなく更新し続ける「マーターズ」ですが、今作もなかなかトラウマ級の絶望作品に仕上がってます。

人里離れた祖母の別荘を相続し、娘2人と引っ越しにやってきたシングルマザーのポリーン。しかしその幸せなひと時も束の間。凶悪な暴漢2人に家に押し入られ一家を恐怖に陥れる。
しかし、2人の娘を守りたい一心で母親のポリーンは決死の反撃を見せ暴漢2人を滅多刺しにし娘2人を暴漢から守り抜いた。
その惨劇から16年の月日が流れ。。。。。。

もう冒頭から凄まじい惨劇の嵐で、見ているこちら側を恐怖のどん底に突き落としてきます。ドアの叩く音、古びた地面の上をギシギシ言いながら歩く靴の音、突然動き出すカラクリ人形など、オバケの怖さではなく日常の恐怖や、何気ない物音、そして暴漢にいきなり襲われる恐怖をこれでもかと見せられるので恐怖耐性がない人は本当に苦痛の映画であると思う。

冒頭から中盤にかけ張り巡らされた伏線の数々。それらが後半になって一気に回収され、現実と夢の世界の狭間を行き来します。
パスカルロジェの持ち味である、徹底的に痛々しい拷問描写は今作も健在です。
普通のホラー映画は、いくら殺人鬼に追い回され、傷をつけられ、殴られても、額に血が滴る程度で主役の女性の顔は割と綺麗なことが多いですよね?
今作はそんなことはありません。殴られすぎて、傷ついた顔は見ていられないくらいボコボコになっているし、冒頭で綺麗な美人顔だったからよりその痛々しさが伝わってリアルすぎる残酷描写になっています。

夜明けの草むらを必死で駆け抜けて逃げるシーンは場面は違えど「レザーフェイス」のシーンに似ていると感じたし、全体的に「悪魔のいけにえ」の絶望感が現代版にアレンジされたような辛さを全面に感じられました。
本当に本当に安心して助かるまで、全く気が抜けない怖さ。。
ラストシーンの救急車の中の救急隊員の語り口調すら、恐怖に感じてしまうほど、最後の最後まで恐怖がまとわりつく感覚はまさに「惨劇」でした。

ただひとつだけ言わせて!
「マーターズ」はオススメ出来ないぶっちぎり最高映画←褒めてます。
だけど、今作は素晴らしく面白いから自信を持ってオススメしますよ!
ただ見た後の恐怖と不快感は全て自己責任でどうぞ!笑。
ふっくー

ふっくー