Maple

劇場版 Free!-Road to the World-夢のMapleのレビュー・感想・評価

4.0
「恥ずかしくなるほど真っ直ぐな十代」

やっっっっと観られた。

大学生という自分の将来に対して真剣に向き合い突き進んでいくタイミングで、やっぱり七瀬遙は見た目によらず熱いヤツだ。

塞ぎ込んだ中学時代の友達に再会して、当時の約束を果たす為に泳ぐ。
言葉じゃなくて行動で示す。
イケメンかよ(そうです)

この作品に関して、誰が一番好きとか無いんだよね。みんな良い子。みんな好き。
自分こんなに人の良いところ見つけられる人間だったっけと思うほど、みんな良いところがちゃんとある。それが凄い。

強いて言うなら、
渚、宗介、貴澄、彼らはほんと凄い。

渚は可愛い顔してるけど、漢。
立場を理解してその上で空気を変えられる天才。それでいて一番の快楽主義者。だから楽しいを人と共有したいし、提供出来る子。

宗介は、あの年であの状況を冷静に捉えて次自分は何ができるか。どうするべきかを考えて行動できる、人間としてほんとに逞しくて、多分誰よりも努力家。子供の頃の宗介が「どんな困難があってもたくさん努力して乗り越える」って言ったシーン、込み上げるものがあった。
君がまた泳ぐ姿を、私達は待ってる。

貴澄は…彼はこの作品で一番絶妙な距離感を保ってる。選手として関わるのではなく応援する友達として。目の前にいる人間がいまどんな感情を抱いているのか、人間観察に長けてる。だから自分がどのスタイルで動けば良いか直ぐに判断出来る。そして彼は決して屈しない。友達が泳ぐ姿を見ても、弟が頑張ってる姿を見ても、周りが全員水泳部でも、彼は決して泳がない。彼は貫く。そう、鴫野貴澄は、バスケ推し。
中学からずっと君、
バスケの勧誘してるよね…笑

色々あって会社のロゴ観たりスタッフの名前見るだけでね、泣きそうになるんだけどね。今回。泣くのはやめた。
良し悪しはあるけど、作品には関係ないんだよね。そういうの。だって、京アニの名前は悲しみの代名詞ではないし、スタッフもそう。

今回観たいと思ったのは協力したいという想いもあったことは事実だけど、でも映画ってそうじゃない。観たいから観る。興味無きゃ、観ない人は観ない。

私は観たかった。
あの瞳の輝きを、あの水の躍動感を、恥ずかしくなるほど眩しい彼等のいまを観たかった。だから観た。自分ももう少し熱を注げれば、彼等みたいに熱い夏を学生時代に過ごせたかもしれないって羨ましくも思った。

そういう、胸の内の熱い想いを起こさせる作品を残してくれたことに本当に感謝しないといけない。
文字や言葉ではなく、作品であなた達が生きていたことを、
私達視聴者は永遠に語れる。
もうあなた達に会うことは出来ないけれど、大丈夫。

最高の景色は一つとは限らないって、あなた達が言ってくれたから。
Maple

Maple