よう

DUNE/デューン 砂の惑星のようのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
4.0
原作未読。
リンチ版は鑑賞済み。


「これを求めて金を出した」って所はちゃんと提供してくれる。
つまりは、映像と音。

景色ショットも、乗り物等のディテールも、シャラメも、全部美しい。
トンボみたいなヘリコプター、劇中では〈羽ばたき機〉、いいね。デザインがいちいちかっこいい。
少し斬新なデザイン……スターウォーズのシークエル三部作(決して否定派ではない)で最も欠けていた要素だと思ってるのだけど、それがこの映画にはあったなあ。
あと、太ったおじさんがあんなぬわあ〜って動いてたら怖いんだな。

加えて、音。
主に〈声ボイス〉を効果的に使ってる映画でもある。あの能力を使った時のドキッとするようなトーンの声も印象的だった。
細かい所だと、咀嚼音演出のいや〜な感じもよかったなあ。
あと、ハンス・ジマーによる音楽。
予告でも使われてる民族音楽の歌のような調べが入った曲はかなり印象に残るし、またそれが主人公の「ここだ」って所で流れるもんだからホント効果的。
ささやき声がいくつも重なった曲とかも、この話に合ってる。

ただなあ……ヴィルヌーヴ作品好きだし、あくまで序章で終わってるってのは特に気にしないのだけど、もう少し削れそうな気はする。
引っ越す前から人物紹介も兼ねて丁寧に描いているけど、なくてもいいような。
映像だけで引っ張れる力があるからこその語り口ではあるんだろうけどね。砂漠がだだーっと広がってるショットをやたら見せてくるのもわかる。
最近の大作映画の物語分量にこっちが慣れちゃってるせいなのかなあ。

固有名詞などの用語のわからなさについては何とも思ってない。そんなのはわからなくたって別にいい。知りたければ後で調べれば済む話。

(原作未読のせいもあるのかもしれないけど)鑑賞前から気になってた点として、いわゆる血を引きし英雄譚で、「今さら若い男が英雄になる話って古臭くならないかなあ。ましてや白人だし」って考えてたんだけど、一応そこらへんは気にしてる感じは匂わせてきてた。
彼が英雄になることは彼にとって、または宇宙にとっていいことばかりではないかもよ、っていう。
まあ、そこらへん、どうするつもりなのかはわからないけどね。


さすが『スターウォーズ』『風の谷のナウシカ』に影響を与えた話って点もしっかり。
あと、『地獄の黙示録』のあれオマージュみたいなシーンも。
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