「DUNE デューン 砂の惑星 」予備知識がないため、あらすじ、人物相関図を予習して、TOHO日本橋で鑑賞。
正直にいえば苦手な世界観だが、壮大なビジュアルには圧倒された。しかしそこにはエンタメ感や面白さはない。
圧倒的な映像美は良いのだが、本作がPART1だからなのか、ストーリーや展開にフックが足りない印象…。個人的には感情を揺さぶる演技演出がもっと欲しかった。
ポール役で主演ティモシー・シャラメの繊細な美しさに強く魅了された。彼の微妙な表情の変化で成長度合いを表す演技も良かった。
また、レベッカ・ファーガソン演じる母親ジェシカの存在感、準主役級の扱いも興味深い。
オスカー・アイザック、ジョシュ・ブローリン、ジェイソン・モモア、ハビエル・バルデム、デイブ・バウディスタ…のおっさんキャストにも関わらず、大画面からは男臭さが匂わないのは薄味の演出力のお陰か、なんかおもしろい。
ハンス・ジマーの荘厳な音楽は安定の素晴らしさだが、前面に出過ぎた感も残った。
ドゥニ・ビルヌーブ監督作は2017年「メッセージ」までは素晴らしかったが、大規模予算映画を撮るようになってから、良くも悪くも作風が変わってしまった印象。「プリズナーズ」のようなミステリーな作風が懐かしい…。