りょうすけ

DUNE/デューン 砂の惑星のりょうすけのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
3.0
「DUNE/デューン 砂の惑星」

2021/10/17 gdcs IMAXレーザー フルサイズ スコア3.0
2024/2/12 gdcs IMAXレーザー フルサイズ スコア 3.5

フランク・ハーバード原作のSF小説を「メッセージ」「ブレードランナー2049」などのSF映画でも定評にあるドゥニ・ヴィルヌーヴが監督し映像化した作品。「プリズナーズ」で心を掴まれたのでそれなりに彼の作品は好きだったりする。それに加えて1984年のリンチ版「デューン」は個人的に「スターウォーズ」を超える傑作だと思っているので割りかし楽しみにしていた作品だった。「NTTD」同様1.43:1のフルスクリーンで鑑賞したかったため2週間ぶりに池袋のgdcsへ。客の入りは「NTTD」より多く2日前にネット予約しないと鑑賞できないほどだった。gdcsは他の映画館に比べても前の座席との間隔が狭く割と窮屈なので満席状態の鑑賞はあまり快適とは言えないが仕方ない。

肝心の作品の感想はというと「判断はつけにくい」というのが正直な感想だろう。鑑賞前から知っていたがあくまでも2部作の1作目。84年版「デューン」の「こっから面白くなるよ〜」っていうところまでで155分。それは流石にキツくないかとすら思った。日本映画と違って2部作の後半がすぐに公開されるわけじゃないからこっから数年待たされるのは本当にキツい。正直パート2も観てから1本の作品として評価するべきだと思う。「ブレードランナー2049」のときに「長けりゃいいってもんじゃないよ」って言ってた高校生の自分を思い出した。ストーリー自体は結構好きなので問題なし。

あと美術的な面からも一点。84年版よりビジュアルに魅力がない。なんだかんだ80年台のカルト映画ってビジュアルがしっかりしてるっていうか、目を惹くものがあるんですよね。それが本作にはない。強いて言うならシャラメと永遠と幻想シーンでしか登場しないゼンデイヤの美しさとハルコンネン男爵のビジュアル。男爵のビジュアルは84年版を優に超えていたと思う。正直本作で一番好きだった点はそこ。オスカー、ブローリン、モモア、バウティスタ、ハビエルの5人の使い方が微妙なのも非常に遺憾。あんなにキャラ濃い人たちなのにもったいない。

あと作品の映像が全編くらいのは監督の意図だし
設定からいっても仕方がないが、日本語字幕がウザい。あくまでもIMAXレーザーGTの話なので他のシステムでどうなっているかは定かではないが、字幕が明るすぎて映像が陳腐になってしまうのが非常にもったいない。正直吹替版での上映も検討してほしい。無理なら字幕なしの英語音声でもいいから。映画自体をストーリーとして楽しみたいって気持ちも当然あるけど、この作品に関しては純粋にアートとして楽しみたい気持ちもあるから海外でみんなが堪能している「デューン」が観たい。これは本当にIMAXさんお願いします。

さてここからはIMAXレーザーGTについてのレビュー。上で述べたように字幕がクソ邪魔なことは置いておいて映像は本当に素晴らしかった。「NTTD」でも1.43:1の映像になるシーンがウリだったが、あっちの比じゃないくらいフルサイズの映像が多い。またそのシーンがめちゃくちゃ綺麗。基本的には風景のシーンやゼンデイヤの幻想シーン、アクションシーンでフルサイズになるので1.43:1の利点をフルに活用した作品となっている。「インターステラー」をフルで観た時の感動を思い出した。ただ、あちらほど映像が明るくないので微妙なところもあるにはあるが…

変わったSFに手を出しているノーランとヴィルヌーヴが比較されるという事案をTwitterでよく見かけるが、個人的に思ったのは「ノーランはすごい」ということだった。彼の方がキャストや音楽の使い方も映画の取り方もわかっているような気がしてならない。確かにヴィルヌーヴの映画も嫌いではないが、彼はSFよりは現実世界の話の方が合っているのではないかと「ブレラン2049」と本作で感じた。とりあえずパート2を制作したら今度は「プリズナーズ」や「ボーダーライン」みたいな現実の話をもう一回撮って欲しい。その上でどっちの方が向いてるのかを個人的には判断したい。

【ストーリー】★★★☆☆
【音楽】★★☆☆☆
【演技】★★★☆☆
【テンポ】★★☆☆☆
【エンタメ性】★★☆☆☆
【感動】☆☆☆☆☆
【アクション】★★★☆☆
【ホラー】☆☆☆☆☆
【恋愛】★★☆☆☆
【コメディ】★★☆☆☆
【サスペンス】★☆☆☆☆
【エロ】☆☆☆☆☆
【グロ】★☆☆☆☆
【指定】G

(追記)
2年半ぶりにgdcsのIMAXレーザー フルサイズを鑑賞した。初見時は理解できなかったことや覚えていなかったことを続編公開前に復習できてよかった。久しぶりに観るとやはり映像はすごいが、話が序盤も序盤すぎるという印象で、1本の映画としては決して面白くはないが、IMAX、特にgdcsとエキスポシティのIMAXフルサイズで鑑賞するならば十分に価値があるだろう。それ以外の環境下での面白さは保証できない。
特別映像が付いていたが、続編はアクション多めとのことなので非常に楽しみ。
りょうすけ

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