キツネとタユタム

DUNE/デューン 砂の惑星のキツネとタユタムのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
3.6
宇宙帝国の一番偉い人が、勢力を広げて脅威になってきた主人公のいる国に別の星への移住を命令。劣悪な移住先でゴタゴタしてるところを、もともとその星を占領していた国と宇宙帝国が手を組んで潰しに来たって話。

IMAXで鑑賞し、圧倒的な映像美に、ある種美術作品を観ているような感覚に陥る本作。
エンタメ作品としてはひとえに面白いと言い切るのは悩ましい。ロード・オブ・ザ・リングの様な完成された世界観を、ノーラン作品のようなド真面目さで作ったような作品。面白いかと言われると言葉が濁るが、凄いもの観た!っていうのは胸張って言える。映画は面白さが全てでは無いのかなと感じる。
物語としても、全体の上澄みだけしか表現出来ていなくて、続編ありきの作りになっている。作品の環境と状況と目的を2時間半かけてゆっくり説明し、動き始めるのは次の作品ですよ。とはっきりと表現しているようにみえた。重厚で一作品では語り切れない世界観でその作りには納得だし、試みとしても賛成だが、であれば次回作が期待できるような伏線や要素をもっとふんだんに盛り込んでくれても良かったように思える。2作品目を作れるかは本作の興行収入次第だろうから、変に中途半端にできなかったんだろうとも思うけど…。

主人公のティモシー・シャラメは素晴らしい存在感。IMAXの巨大スクリーンでのアップに耐えられるそのご尊顔は凄い。弱さもありながら、野心に燃える心も持ち合わせている主人公をとても良く表現出来ていたと思う。
お母さん役のレベッカ・ファーガソンもとても美しい。もうヒロインなんじゃないのか?と思うほどの大活躍。グレイテスト・ショーマンからこの方を知ったけども、これからも活躍が期待できる女優さん。
ほんとのヒロインであるゼンデイヤもアップに耐えられるご尊顔。物語上ほとんど夢の中でぼやっとしか出てこないから、ゼンデイヤのイメージビデオかな?と思う部分も多々あるが、存在感は抜群。
そして何よりジェイソン・モモア!この人がいなかったら映画の面白さ2割減と言っても過言では無いほど良かった。みんなド真面目な中、軽いノリの役どころで安心感を与えてくれる。モモアありがとう。

エンタメ的なワクワク感を楽しむというよりかは、観たことの無い世界観にどっぷり浸かるというのをメインとした作品。なので観る前の心持ちによっては賛否が分かれてしまうのは仕方が無いと思う。続編を観たうえでやっと語れるような作品な気もするので、続編作ってもらえるように応援したい気持ち。
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