観賞中、溢れる多幸感w
音楽良し役者良し、ヴィルヌーヴ監督らしく当然のように気の抜いた絵が全くない。
鼻水垂らしても鼻血出しても、美しいティモシー・シャラメ。他も豪華キャスト。特にハビエル・バルデムは最初の登場で彼と分かるものの、どんどんとフレーメンにしか見えなくなっていた。他キャストも同様で、豪華キャストというと他作品のイメージがノイズになりがちなのだけど、今作に限ってそれはほとんど感じなかった。
何より全体的にデザインが素晴らしい。重厚で歴史的な世界の多文化デザインを踏襲しつつ、統一感のある斬新なデザインで眼福だった。冒頭のダンカンのパイロットヘルメットだけ、あれ?結構現代っぽい?という違和感はあったけど、気になったのはそのくらい。シールドの表現も良かったし、オーニソプターも所謂よく知ってる感じをアップデートしてる。サンドウォームの神様感も素晴らしい。波打つ海の様な砂の表現も美しかった。
ビジュアル的にはリンチ版やホドロフスキー版を踏襲するところも結構多いのだけど、それらを見事に融合させて新しいものに見せる手腕がお見事。
予知夢のモンタージュが頻繁に入るので、ちょっとややこしいところもあるけど、逆に変な説明台詞を避けて、うまく雰囲気を醸し出していて良かった。
欲を言えば、設定の根幹であるメランジ(邦訳では香料)について、もう少し希少性の説明と、価値を具体的に見せられると良かったかも。
ハンス・ジマーの音楽も、声楽をうまく取り入れた無国籍感が際立っていた。ちょっと川井憲次さんの攻殻シリーズの音楽を思い出したり。
『TENET』とスケジュールが被って、こちらを選択したとパンフレットで知って、なるほどと膝を打った。原作が話題になったまさにドンピシャ世代だし。
前後編らしいので、後編にも期待している。と言うより前編の成績次第の契約更新と聞いているので、是が非でも今作がヒットして、後編の製作が決まって欲しい。
最後に、今後観るつもりの方は、IMAX必須、出来ればIMAXレーザー推奨です。印象で全体の6〜7割? 砂の惑星アラキスのシーンはほぼすべてIMAXカメラなので、通常上映で観るのは勿体無い!
[追記]
10月28日、丸の内ピカデリーにてドルビーシネマ版を観賞。映像、音響共に堪能したけど、やはり上下切れるのは勿体無い。どっぷり世界に浸かるなら、IMAX一択だろうな。そして続編の製作も決まった様で何より。後編が楽しみだ。