Filmarks にちょいちょいレビュー書くようになってよかったこととして、作品の評価や好みの理由が自分なりに具体的に言えるようになったことがあるかもしれない。なんで好き・面白いと思ったか、なんでピンとこなかったのかが言語化・整理できてきた気がする。
で、そんな自己基準に照らしてハッキリいってしまうと、本作は好みではなかったかな。
ヴィルヌーブ監督の「メッセージ」には凄く感銘をうけたので、そういった SFらしい科学的なアプローチや、観念的・哲学的なメッセージを期待していたので、ちょっと拍子抜けしたというのが正直な感想です。
”SF映画”を期待して観にいったら、”ロードオブザリング”みたいなファンタジー・アドベンチャーでしたってカンジ。アタシの勝手な感想なので作品に罪はないんですけどね。
それならそれで、もっと人間ドラマがあったらよかったかもなんですけど、これもなんだか淡々と進んでいくカンジで、あんまり感情移入できるような場面もなく…。スターウォーズなんかも、ちっとも科学的ではないけど、人間ドラマには厚みがあるよね。というかむしろそこが作品のコア。
本作は前編であり、あくまでプロローグってことで、後編では怒涛の展開で涙腺崩壊？なのかもですけど、なんとも神話・叙事詩的なものを観せられたといった印象でした。
それと、古典SF小説の映像化（リメイク）ということで、原作の世界観をリスペクトしているのでしょうが、もうちょっとリアリティには工夫があってもよいんではないかと思っちゃいました。
巨大な宇宙船やトンボみたいな飛行機、汗や体液を再生水にしてしまう砂漠用ボディスーツとか、ものすごい科学技術。一方で、住居は古代エジプトみたいな土壁づくりで、いざ戦闘！ではお互いナイフで斬り合い、どツキ合い？w あと声で相手を制御できるフォースみたいな技ね。あれ出来るならナイフでどツキ合う必要ないw などなど矛盾というかツッコミどころがどうも多いのよ。
あとネーミング・用語が複雑で初見では覚えられません（オレが阿呆だからか？爆）…もうちょっとシンプルに整理した脚本にならんもんですかね。
いかん、また文句ばっか垂れてしまった…。
補足しとくと、今回ちょっと久々の映画館だったので劇場映えする大作を！と本作をチョイスしたんですが、映像の迫力と美しさについては期待通り、文句ナシでした。観てるこっちも砂まみれで咽せるような迫力です。
一応、後編ではスリリングな展開、ドラマティックで壮大なフィナーレを是非期待してはおります。あしからず。
