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DUNE/デューン 砂の惑星のAnima48のレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
4.0
昨日飲んだビールは美味かった、この前の暑い日に呑んだ一杯目のビールは最高だったとか話す友人がいる。明日彼が飲むビールはどうなんだろう?”お酒といえばビール”というビール好きな人は必ず周りにいると思う。

ここしばらく公開された映画でティモシーシャラメを良く見かけて、”素敵な俳優といえばティモシーシャラメ”になっていて、晴れた休日の午前に見るシャラメは最高だ。映画ごとに長髪になってたり、ひげ伸ばしたりで毎回良い感じがするんだけれど、今回見る彼は不安になるほど綺麗だった。ちょっとした上目使いが印象的でこんな細くて綺麗な人が厳しい砂漠で生き抜いていくんだと思うと心配になる、日焼けしないんだろうか?次はどの作品で見るんだろう?

レベッカファーガソンも素敵で、“声”のトレーニング等で先生のような役回りもあり、時には手話も使うコミュニケーションやコンビ脱出を図るところとか母子の逃避行というよりは、バディ物のように楽しむことができたと思う。今回この二人きりの画面が多くて、二人が並んでいるだけでも画面がとても絵画的に見えた。

アラブ系の俳優は姿を見せないけど、砂漠の民で、世界を左右する天然資源の地で、大国の植民地として翻弄されてしまうという要素からこの星の人々がどうしても20世紀の中東の地域の人々を連想させてしまう。映画の冒頭のモノローグで“次の抑圧者はだれになるんだろう?”って言っていた。そしてポールの一家も雨風に洗われた荒涼の地からバグパイプを携えて新しい領地に赴くあたりが、スコットランドの貴族のように思える。実際貴族なんだけど。

原作がスターウォーズに影響を与え、スターウォーズが作り上げたスペースオペラのジャンル内の映画としてその後幾度か映画化された後に出てきたこの映画。映像表現の進化具合と、本家本元からの発想の捻りや反射・連想の具合を見てとるのも楽しい。

唾の挨拶が面白い、その土地特有の価値観、文化に見合った身のこなしとか考えられているを見ると本当にワクワクする。この挨拶やコーヒーの入れ方を見れただけで、この映画を見てよかったと感じる。トンボのように空を飛ぶ飛行機やシールドを使ったナイフ(ナイフ自体へのこだわりも相当あったように思う。)格闘技とか地球じゃないどこかを見ている興味深さもあって、”砂まみれのスターウォーズ”以上の楽しさは確実にあったと思う。砂漠用のスーツがとても綺麗で他の砂漠の生活用のグッズも“いかに水分を保つか”を突き詰めていて面白い。原作をかなり映画向きに変えてもらってるらしく、原作にそれほど通じていない僕も楽しむことができた。乾いた砂だらけの惑星に局面ごとにハッとする美しさがあって、それを眺めるだけでも映画を楽しめた、あそこでビール呑んだら最高だろうって。

長い原作を何とか映画に纏めたとのことだけれど、映画始まってすぐタイトルの下にpart1と出ていた。まだ描かれていない部分も含めて、もう一度見てみたい。

でもタイトルをDUNE HALFとかDUNE 50%とかにしても良いんじゃないかな。
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