わかまつ

ドラゴンクエスト ユア・ストーリーのわかまつのレビュー・感想・評価

1.1
驕る平家は久しからず

待ちに待ったドラクエ映画。
小学生のころ1日30分の規制の中、胸を踊らせ楽しんだ冒険は僕にとって大切な思い出です。

一ファンとして、本作は「ドラクエの映画化」としてはかなり出来がいいように感じました。
ポップで明快な世界観を堪能でき、心配していたCGキャラの人間味も作り物感は感じず想像以上の出来でした。

問題は「総監督の作品の私物化」です。
とあるインタビューにて「あっと驚かせるいいオチが思いついたから承諾した」と仰っていた山崎総監督。
個人的にはやりすぎに感じてしまいました。

「誰もやったことがないことを挑戦する」のと「やっちゃいけないことに触れる」のは紙一重だなと痛感しました。
この思い切った試みを頭ごなしに糾弾して、映画表現の可能性を潰すことはしたくないです。
でもその「オチ」以外がとてもすばらしいものだったので、なにもかもひっくり返されてしまった着地が残念でなりませんでした。

よくもわるくも映画史に刻まれる衝撃作であることに間違いないので、ネタバレを見る前にご自身の目で鑑賞されることをおすすめします。
わかまつ

わかまつ