somaddesign

ドラゴンクエスト ユア・ストーリーのsomaddesignのレビュー・感想・評価

2.0
2019年イチの珍作。ツッコミつつ見るが吉。
現時点で最も熱いPublic Enemy #1(©️Chuck D)を堪能😆

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少年リュカはゲマ率いる魔物たちに連れ去られた母マーサを取り戻すため、父パパスと旅を続けていた。しかし、道中での魔物たちとの激闘により、パパスはリュカの目の前で非業の死を遂げてしまう。それから10年後、故郷に戻ったリュカは「天空のつるぎと勇者を探し出せば、母を救うことができる」と書かれた父の日記を発見。パパスの遺志を受け継ぎ、冒険へと旅立つ。

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今夏公開の劇場用アニメとして「天気の子」とはまた違った形で話題沸騰中の本作。沸騰を通り越して煮え繰り返ってる。クライマックスの超展開を覚悟して見てたとはいえ、正直呆れ果ててしまった。

そもそも自分と山崎貴ガチャの相性がすこぶる悪く、名作と名高い「ALWAYS 三丁目の夕日」「永遠の0」「STAND BY ME ドラえもん」を悉く見逃し、代わりに「BALLAD 名もなき恋のうた」「SPACE BATTLE SHIP ヤマト」「寄生獣」と邦画の黒歴史みたいな作品ばかり引いている。おかげで山崎貴作品にだいぶ懐疑的。
原作の面白味のツボを、いつも絶妙に踏み外してくる印象。

かなり穿った目で、ハードルをググッと下げて見たせいか覚悟してたよりは面白かった。少なくとも序盤と中盤の結婚のトコと最終版を除けば。聞けば、山崎総監督自身、今回の企画には難色を示していたそうで永らく頓挫していたとか。全体に漂う「業務請負」感がすごい。

序盤のダイジェストは「天空の花嫁」を実際にプレイしてないと分かりにくいし、実際にプレイした人だからこそ、あの超展開に開いた口が塞がらない。思いついちゃったからって、これにGO!を出した製作陣どうかしてる。

ストーリー以外にも(原作が古いからしょうがないとはいえ)ビアンカにしろフローラにしろ、ヒロインの描かれ方が前時代的に思えてしまった。今どき箱入りの姫とその反転って💧 ディズニープリンセスが剣を持って自分の道を切り開く時代に、良妻賢母を最上の最適解にしちゃうってジジイの価値観か!

大人になったベビーパンサーがゲレゲレと気づく一件とか、あっさり物語から消えるフローラとか全体に漂う「こうじゃない」感。
大オチを踏まえれば、占いババの正体を分かるシーンとか主人公が知りえない(知って得がない)シーンが散見されたり、マスタードラゴンのメタ発言とか伏線のようで世界観を自壊してくる。全編通じてディーティールが雑。
それでいて、セリフの度にイチイチオーバーアクションで動くのでイライラする。あれはゲーム画面上でテキスト表示だから必要な演出であって、普通にアニメ表現の一部で見せられると思った以上にウザい。


ゲームを主題にしておきながら、ゲームに費やした時間が無駄で、いつまでも大人になれない大人を糾弾してくるトンチンカンさ。
今どきゲームの有意義・無意義を説教してくる錯誤っぷりだし、なんかもー張本かよっていう。
つまるところ本作のラスボスって山崎貴自身を具現化したんじゃなかろうか。自分を仮想敵にして虚実両面でぶっ叩かれるまでが作品っちゅーか。

数年後には映画秘宝あたりで「世紀の珍作」として『これが当時トイストーリー4やペット2と同時期に公開されてたと思うとゾッとする』とか書かれてそう。「シベ超」や「北京原人 Who are you?」を見に行く気分で、歴史の1ページを目撃するのにオススメ!


(余談)
「光のお父さん」を見ておくと、ヘンリー王子:坂口健太郎 vs ゲマ:吉田鋼太郎の親子対決にも見えるし、FF vs DQの宿命の対決にも見えてちょっと愉快。ヘンリー王子の棒読みで威厳も加減もあったもんじゃないポンコツっぷりも楽しかった。

73本目