JAM

ドラゴンクエスト ユア・ストーリーのJAMのレビュー・感想・評価

1.9
愛の有無で名作を作れるか否かが決まる訳では無いが、本作が伝播させたいそのメッセージを背負うにはファンを納得させうる愛が必要だろう。

端々から感じられる制作側の薄い理解故に、そのメッセージに真摯さが感じられずとにかく薄っぺらい。なんとも悲しい作品だ。サラエボ周りの話の再構成は個人的に良かったと思うし、褒めたいと思える部分がないわけではない。だが、そういった小さな芽を最後の最後でタンクローリーで押し潰して更地にしにくるようなあの『言動』はマジでない。

愛を謳う主人公が一番嫌いになってる時点でメッセージは成立し届くはずがないのだ。切り札があのチョイスなのも、見方によってはV以外のドラクエシリーズをコケにしていると言っても過言ではなく浅い理解で『これを使えば盛り上がるんだろうなぁ』とでも思って出したのではないかと勘ぐってしまう。

で、実際見て見たわけだけどこれをデビルマンと比較して語るセンスがやっぱり僕には分からない。ドラクエV 不快な部分はあれど見れてしまう映画ではあるので全体を通してクソとは言い難いし、そもそも話の構造自体まったく別物だろこれ。

今更 自分が言うようなことでもないけど、駄目な映画が出る度に実写デビルマンを引き合いに出すの自分の映画に対する価値観が十年前からまるでアップデートされていないということでしかないので、普通に恥ずかしいことだと思いますよ。
仮に某レビュアーの方のように面白おかしく作品を批評しようというなら、映画に対する知識は多く持っているべきだし、少なくともその映画は自分の目で見るべきだろ。

話が逸れたのでYSの纏め。
あのオチ自体は悪くないと思います。
ただアレを感動的な物として通すには熱量が必要であり、本作はその熱量が感じられないお粗末な物だったので反感を買ったのです。歴史あるシリーズを題材にしているのだから、そもそもそうなることくらい予見出来ただろうと僕は思います。
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