Tai

生理ちゃんのTaiのレビュー・感想・評価

生理ちゃん(2019年製作の映画)
3.7
〝それ〟が見えたら終わり(数日間は)

ハートマークを大胆にアレンジしたインパクト大のフォルム。リアルな唇。鼻は十字マーク。
〝それ〟は女性の前にだけ現れ、腹パンチをキメてきます。
〝それ〟の大きさは人により様々。ポーチに入る程の小さいものもいれば、小学生程の大きさのものもいます。
小さければそれ程気になりませんが、大きければパンチの威力がある上、移動の際もつきまとわれるので行動が制限されてしまうケースも。
イラつかせてきたり、ネガティブにさせてきたり、睡魔に襲われたりもします。
どんなに拒否をしようと毎月やってくる〝それ〟の名は……生理ちゃん!

女性の生理を可視化して、身近な問題を作品としています。
基本は女性それぞれの日常を映しながら、画面に映える生理ちゃんのシュールな存在感!
今の時代にCGではなく着ぐるみでやりきったのが作風にピッタリで非常に良かったです◎
漫画には無い生理ちゃんの歩く音も良かったですね(´∀`)
テュポンテュポンと血が流れている音聞こえなくもない。
本当に全っ然可愛らしく無い見た目なのに、知れば知るほど愛着が湧いて来てしまう、なんとも不思議な存在感でした!

登場するそれぞれの女性たちが織りなす物語とそこに交わる各生理ちゃんたちというのは良かったのですが、もっとこの現象によって歯痒い思いをしていたり、身体的にも辛い人というのを表現しても良かったのではと思いました。
私は男なので経験はありませんが、友人には脂汗が止まらなくなる程に体調が悪くなったり、痛さのあまり動けなくなったり、生理ちゃんがやってくる少し前から情緒が不安定になってしまうという女性もいるので、日常生活に支障をきたしてしまうからこその、そこから生まれるドラマというのも観てみたかったなーと思いました。
それを前面に出さなくても、もうすこし踏み込んだ表現があっても良かったのかなと。
PMSちゃんを本編前の歌で終わらせてしまうのは勿体ない!
とか思っていたのですが、きっと私の友人は更に大きな生理ちゃんが来ているんだろうなという自己完結しました◎
本当に十人十色だというのが勉強になりますね(´∀`)b

男にまとわり付くキャラクターにはかなり笑わせてもらいました(笑)
実際にも見えてたらいいのにな〜。
Tai

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