磯野マグロ

山懐に抱かれての磯野マグロのレビュー・感想・評価

山懐に抱かれて(2019年製作の映画)
3.7
【原理主義者の牛乳】

イーちゃんに続いて、ローカルテレビ局の長期ドキュメンタリー本日2本目。こちらはテレビ岩手が25年追いかけた、山地(やまち)酪農の家族の物語。
この山地酪農自体が宗教っぽいというか、アーミッシュかよ、というか、なかなかに変わったもの。個人的にはとても興味あるんだけどね。どこまでを「山地酪農」と呼ぶのかが難しそうだが、日本中に数箇所の牧場があり、丹沢でも最近新しい牧場がスタートしたので、早よ行かねばと思ってまだ行けてない。
それはさておき、東京農大の楢原先生にたきつけられ、理想に燃えて岩手の田野畑に来た吉塚青年は北上高原を開拓開拓また開拓、牛を山に放牧し、野芝だけで育てて乳をとる。そんなだから、ここの牛乳はベラボーにうまいけどベラボーに高い。実際経営はかなり苦労したんだけど、テレビの取材が入ったことで、大きく助けられたらしい。
息子5人にすべて山地酪農をさせようという、まさに狂信的な野望は果たせなかったが、それでも子どもたちはみんなよく考えよく働く人間に育った。十分にすごい。
これは映画ではまったく語られてないんだけど、岩手の山地酪農といえば、有名なのは中洞牧場。でも中洞の話はまったく出てこない。おなじ楢原先生の筋らしいのだが、どういう関係にあるのか、だれか教えてくれないかしら(興味本位)。
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