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みぽりんのeyeのレビュー・感想・評価

みぽりん(2019年製作の映画)
3.6
みぽりん(2019)

そもそもこの映画を知った経緯から書き始めると、、

何らやら「神戸の方で盛り上がってる映画があって連日満席」という真偽不明のSNS情報を発見した

ちょっと調べてみると『みぽりん』という名の映画であって

カナザワ映画祭2019「期待の新人監督」から"観客賞"を受賞していた

ということで「面白そうだなー」と期待していて「関東では公開されないのか…残念」と思いつつ

ここFilmarksに何気なく『みぽりん』が登録されているのも何となく気付いていた

当時『二人の作家』の上映時期にシネマロサに足繁く通っていた頃

「あれ?!『みぽりん』が年末に上映スケジュールが組み込まれてる!」と公開を発見してしまい…

年末まで公開をひたすら待っていたという形

そんなこんなで 2019/12/21 から3週間限定で公開されるということで公開初日に合わせて鑑賞してきた

誤解を恐れずに言うと

・事前にみぽりんについて宣伝されていた内容
・動画の中の「みぽらー」と呼ばれるファンが参加していること
・映画のラスト10分の煽り

「もしや…この映画…4DIEX(松永天馬氏が考案した画期的手法)なのでは…」

と内心思っていた(※4DX ではなく 4DIEX)

実際のところニュアンスが全然違ったけど…

肝心の内容といえば、、、

歌がめっちゃヘタなのに半年間人気投票1位を取り続けている 地下アイドル 神田優花

事務所のプロデューサー・マネージャーも共に歌の心配している

彼女がソロデビューするにあたり事務所の2人はグループの仲間からボイストレーナーのみほを紹介される

優花はみほと一緒にトレーニングを受け始めるも途中から暗雲が立ち込める…

みほの奇異な性格が露わになりジワジワと恐怖の始まりとなる…

という感じ

みほ a.k.a みぽりんが優花に対して徐々にリミッターを解除していく様子が非常に楽しくて

みぽりんの頭の中のキーポイントが
「住民税の支払い」
と思うとシュールの中に笑える要素があった

みぽりんと優花の掛け合いこそこの映画の肝になるけど

とにかく2人がグイグイ観客を引っ張っていく

・顔の表情
・笑い出すタイミング
・会話の間合い
・キレ出す瞬間

ホント絶妙で芝居がめちゃくちゃ上手くて
2人の空気の作り方にとても爽快感があった

猫バトルやバランスボールトレーニングについては大いに笑わせて頂きました…

朝食にコンフレークを食べているシーン

「みぽりんはいつもコンフレークなんですか?」

からの背後に映る「某」

完全に中田秀夫監督の女優霊/1995のオマージュとしか思えない

みぽりんの思念体のような真っ黒い心の姿や形を見せつけてくれた「某」

生き霊かのごとく存在し影や羽を落とすことからホラー映画さながらの存在感だった

「某」によって懺悔のごとく振り下ろされる刀に寂しさを覚えたのは自分だけではないはず

演者が語っていた賛否両論について

個人的にはポップなギャグ映画としては賛

だけど 作品に対し 強い期待とメッセージ性を求めすぎると肩透かし喰らわされるかも…

ただ地方のインディー映画として捉えるならばクオリティーはハンパではなく驚愕のハイレベルだと思う

中弛みさせないようなギャグと演技が必見の映画
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