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グレース・オブ・ゴッド 告発の時のaikonのレビュー・感想・評価

4.2
これは、スゴい!フランソワ・オゾン監督の意地と熱意を感じ圧倒される作品。
性的暴力が与える傷の深さと、その後の人生に与える影響の大きさ、そして、何より沈黙せざるを得ない空気にさせる社会の罪の大きさを思わざるを得ない。
映画『スポットライト』(2016年アカデミー作品賞受賞作)のフランス版。スポットライトは、アメリカの報道側の実話。神父が児童を性的虐待してたという大スクープで世界的ニュースになったにも関わらず、フランスではその後も沈黙され続け2016年にようやく発覚。こちらは被害者側を描いた作品。
舞台はフランス リヨン。
昨年クリスマスシーズンに2週間訪れたばかりで、劇中映る風景に複雑な思い。冒頭のリヨンの街を見下ろせる教会(素晴らしい教会です!)。本当に美しい場所が…こんな黒い闇を抱えてたとは…訪れた場所、歩いた街並みが映る度、自分が観た景色とは違うように見えた。

監督のフランソワ・オゾン、私はとっても好きな監督なんだけど、またも全然違う作風に驚かされた。重い内容にもかかわらず、一気に引き込まれ、あっという間に過ぎる2時間15分。物語が進むにつれメインの人達も変わっていくという構成。ちょっとドキュメンタリーぽい作り。これは、面白かったという言葉は適切ではないけども、すごく引き込まれた。主演は『私はロランス』のロランスを演じた俳優。
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