ろく

グレース・オブ・ゴッド 告発の時のろくのレビュー・感想・評価

3.4
フランスで実際に起きた、神父による児童への性的虐待事件。
主人公である男性3人(全員事件の過去の被害者で成人済み)を中心に、最初の告発から証言、起訴に至るまでを描いている真面目な社会派映画。
真面目過ぎて体感の上映時間は1.2〜1.5倍くらいに感じた。
そしてやはりというか、カトリック信仰が生活や思想に根付き過ぎていて正直理解に至れない部分も多い。
相手が巨大組織過ぎて様々な要素が被害者に絡みついてしまう、大変で難しい事件だな…と思いました。
なお、劇中には被害者の回想シーンがありますが、ちゃんと子役に配慮されているので安心です。

この映画の凄いところは裁判が現在進行中だというところだと思います。
制作は2018年なのですが、エンドロールの前に2020年現在の裁判の進行状況が追加されています。
何年後になるのかわかりませんが、裁判が終了した時にこの映画の本当の結末はどうなっているんでしょう…。

久しぶりのオゾン監督でした。
この人は家族の描き方が本当に丁寧で、上手だなあと思います。
ろく

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