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家にはいたけれどのeigajikouのレビュー・感想・評価

家にはいたけれど(2019年製作の映画)
4.5
アテネフランセ〈Im Apparat〉現代ドイツ映画作家シリーズ
アンゲラ・シャーネレク監督最新作『家にはいたけれど』‬ (英題I Was at Home, But )(ドイツ語題/Ich war zuhause, aber) (69回ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)の上映とトーク。

マレン・エッゲルト、フランツ・ロゴフスキ、リリト・シュタンゲンベルクが完全にアンゲラ・シャーネレク監督映画の中の人になっていて驚きました。
子供達演じる「ハムレット」はストローブ=ユイレも感じました。
充実のトークで監督は4年前より笑顔が多かった気がします。
シャーネレク監督は日本でまともに紹介されたことがないと書かれた投稿があったけど、2018年にも監督が来日してトーク付きで過去作長編5本の上映があったので見ました。
「難解」「分からない」という感想が目立つようですが、フィルマークスユーザーは若い人が多いので老婆心で書いておきます。若いシネフィルが難解だと書いていても、本作に限らず怯まないで見て欲しいです。
シャーネレク監督が「観客が意味を考えて作って行くのであって←それをするのは監督の仕事ではない。」と言っていました。
質問者「あれは〇〇と解釈しましたがどうでしょうか?」
シャーネレク監督「あなたがそう考えるならそれが正解です。」とも。
作家性の強い映画をたくさん見出すと色々解釈癖が付いていくものでしょうけど「分かった」「分からない」に囚われるのはどうかと思います。本作についてならば引用される「ハムレット」に詳しくないと作品を理解できないということではないと思います。

抽象的な言い方ですが私にとってシャーネレク監督の映画は心を広げてくれます。
今回日本語字幕、トークの通訳された渋谷哲也さんがツイッターで私のツイートの引用リプで「アンゲラとストローブ=ユイレは方法論の共通点と伝わるものの違いをぜひ考えたいと思いました。次回尋ねてみましょう。」と書いてくれました。とりあえず自分の感想をツイートしてみて良かったと思いました。
私はシネフィルでないから作品の難しい解釈はできませんが、シャーネレク監督のお話しは分かりやすかったです。
「言いたいことがわかっている状態ではシナリオを書かない。」
「シーンがストーリーに役立つものになるわけではない。」
などなど。印象的な発言がたくさんありましたがここに書くのは面倒だし多分誰も読みませんね😅


私は若い自信満々なシネフィルくんたちが正直コワイということをこそっと書いておきます。(年寄りの独り言🙄)
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