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在りし日の歌のかずシネマのレビュー・感想・評価

在りし日の歌(2019年製作の映画)
3.7
饅頭(マントウ)が美味しそうだなぁ。

1人の子供が亡くなるシーンから展開する。
その両親と取り巻く人達の話を時系列を入れ替えながらフラッシュバックする様に辿っていく。終盤のみ現代。
文革最中、人目を盗んで聴いたという蛍の光。
一人っ子政策最中での計画外の妊娠。
規律を乱すとして、西洋音楽を聴きダンスホールへ行っただけで拘束される人。
集団解雇。経済発展。

何処の国であってもジェネレーションギャップというのはあるけれど、現代の中国はそれがとても激しいものだと思う。
ネットスラングで大陸を指して「父さん」と呼ばれる事もあるが、30年前くらいの描写はマジで「北の父さん」って感じ。あ、でも北の父さんはソ連か…。
まぁそれはともかく。
上の人間に言い返してた描写もあったけど。実際も言い返せてたんだろうか。

時系列がバラバラに登場する事に関しては「これがいつの描写なのか」概ね理解するのに困難は無かったが、少し分かりづらい場面もあった。
それと、おそらく編集か検閲か何かの都合で展開をカットしたのだろうな、と分かる場面があった。いきなりブツっと話が途切れた部分があって気になった。
しかしながら、川が流れる様な、移ろいゆく時代と人の様子がきちんと感じられた。

うーん、とりあえず父ちゃんよ。パイプカットできないんなら避妊しようよ。
女性達と精神的には痛み分けだとして、身体に負担がかかるのは産んでも産まなくても、どう転んでも女性なんだから。
てか結局あの後に彼女はどうしたんだろう。。
何故描写を入れなかったのやろ。
それともカットされたのか。
それとも(そんな事ないと思うけど)嘘だったのか。
スカイプか何かの通話場面はこっちまで無駄にドキドキしたわ!w

ハオハオを彼の両親が責める場面は見ちゃおれんかった。そら責めたくなるだろうけど、あの場合ケアしてあげなきゃ。。
そして「子供がした事だ」の正しい使い方がされてたな。
ハオハオも長い間辛かったね。。

あの仲間の中ではふくよかな体型の女性が何か好きだった。
作中の誰もに色々な事があったけど、彼女はあの中で1番心が安定してそうで。

ちょっとした描写だったけど、ヤンキーの子達が料理を貰って「ありがとうございます」ってちゃんと言ってんの、何か可愛かったw

夫婦役のお2人の演技が自然でとても良く、若い頃の描写には若さを、老いてからの描写には老いを、その表情から感じられた。
序盤に登場してから思っていた以上に出番が少なくてびっくらしたがw、その序盤の王源の「悪かったな、こんな子で」の直前の表情も本当に素晴らしかった。
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